前立腺肥大
犬も年をとると、前立腺肥大になります、
人と違うのは、
人はおしっこがでにくくなったり、頻尿になったり、かなりつらい状況になるようですが、
ヒトは、前立腺が内側にむかって大きくなるため尿道を圧迫するためですが、イヌは、前立腺が、外向きに大きくなるので、人のように頻尿になったり排尿困難にはなりにくいです。
1)症状
犬は、前立腺が外側に大きくなるので、そのまわりにある直腸を圧迫します。
・しぶり便(便をしたいのに、便がでない、少量しかでないのに、何度も便意をもよおす)
・便秘
・便が細くなる
・まれに血尿や、排尿困難
前立腺嚢胞があると、血尿になったり、ペニスの先から血液まじりの液体がポタポタでていることもあります。
2)なりやすい犬種
ドーベルマン、スコテイシュテリア、バーニーズ、ポインター
前立腺肥大は、加齢に伴って進行するため、6歳以上の去勢していないオスのワンコで多く発症します(もちろん、メスはありません)。
9歳までに90%以上の犬(未去勢)が前立腺肥大になるといわれています。
前立腺は、精巣から分泌されるアンドロゲンの作用によって調節維持されています。老齢になると、アンドロゲンが減って、エストロゲンの分泌量が維持されるため、ホルモンバランスが崩れて、相対的にエストロゲンが過剰になり、前立腺のアンドロゲン受容体を増加させる作用をもつため、前立腺が大きくなってしまいます。
3)診断
直腸検査、レントゲン検査、
前立腺に針をさして、細菌感染の有無などを調べる
4)治療
去勢手術(去勢後、数週間で肥大した前立腺は小さくなりはじめ、約12週間までに縮小します)
手術しない場合は、抗アンドロゲンの薬の内服(再発の可能性あり)
前立腺嚢胞や、感染がある場合は、前立腺の摘出手術(開腹手術)
精巣の腫瘍のセルトリ細胞腫があるため、エストロゲンが分泌され、前立腺嚢胞ができている場合もありますので、去勢手術(精巣をとる)が望ましいですね。