猫の甲状腺機能亢進症が多いわけは
猫ちゃんに甲状腺機能亢進症という内分泌の病気があります。
食べても食べてもやせていく
怒りっぽくなる
下痢する
よく水を飲む
という症状です。
猫さんに多いわけは。。
原因は不明ということですが、
いろいろな説があって、、
先日、参加した獣医内科学アカデミーでの話をご紹介します。
①ブラスチックの素材のビスフェノールA
プラスチックや、宅配水などのケースにつかわれているものに、ビスフェノールAという物質があります。エストロゲン様のホルモンなのですが、
これが、人間と違って、
猫ちゃんの甲状腺ホルモンのレセプターに作用するので、甲状腺ホルモンのほうな働きをするといわれています。
②化学物質PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)
建材、線維、プラスチックなどにつかわれる化学物質です。
血液中で甲状腺ホルモンT4と結合してしまうので、甲状腺ホルモンが少なくなります。少なくなると、逆に甲状腺が過形成をおこして、甲状腺ホルモンをふやしてしまいます。
1990年代以降は、建材での使用は、規制されているので、大丈夫なのですが、それ以前の建物ですと、この物質が含まれているので、これがほこりと一緒になって、家猫さんがたくさん摂取する可能性があります。
猫缶には、この素材が使われているので、
猫缶をそのまま、電子レンジでチンすると、この物質が食べ物にはいってしまう可能性があります。
(国産は大丈夫かもしれませんが、中国産の缶詰は要注意です)
③キャットフードに多い大豆イソフラボン
女性ホルモン様物質で、女性にはよいものなんですが、猫ちゃんには、ビスフェノールAと同様、甲状腺ホルモンのような働きをしてしまいます。
キャトフードの3/2は、大豆イソフラボンがはいっているといわれています。
④かつおや、マグロ缶には、ヨウ素が多い
甲状腺ホルモンのモトとなる、ヨウ素がたくさん、マグロやかつお缶に含まれています
ヨウ素が少なすぎても、甲状腺腫を発生させるといわれていますので、
過ぎたるはおよばざるがごとし、
ほどほどの中庸がよいようですね!
猫ちゃんの最低必要量は。0.35、1.4、0.46ppmと、説はいろいろだそうです。
猫缶詰は1.0-36.8ppmのヨウ素が含まれているとのことで、猫缶ばかり、大量に食べていると、甲状腺機能亢進症になるかもしれませんね。
甲状腺機能亢進症になったら、、
欧米では、98%が甲状腺過形成といわれています(つまり、悪性の腫瘍ではなくて、良性ってことですね。転移しません)
日本は、50%が良性や過形成ですが、
この良性の甲状腺過形成が、長い年月のちに、甲状腺癌にかわるかもしれないといわれています。
治療は、甲状腺摘出手術ですが、逆に甲状腺機能低下症になる可能性もあります。
若い猫ちゃんで甲状腺機能亢進症になったら、いずれ、甲状腺がんになるかもしれないので、摘出手術をしたほうがよいということです。
シニアでしたら、内服やヨウ素制限フード管理(このフードの場合、猫缶やほかの食事を食べては意味がなくなります)
でよいでしょう。
(横浜ランドマークタワーからの眺望)
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