ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

門脈低形成(肝臓の病気)

肝臓の先天的な病気に、門脈低形成(原発性門脈異形成)という病気があります。
とくに、臨床症状はありません。血液検査のときに、肝臓の酵素があがっていることで気づかれます。
この病気だけでしたら、寿命はまっとうできるといわれています。


どんな病気かといいますと、

血液検査をすると
 アンモニアは正常(これが上昇していると、肝機能の低下が疑われます)
 肝臓の酵素がやや高い
 総胆汁酸がやや高い(門脈シャントという重篤な病気ほどではないです)
 たまに吐く
 
この病気は、
肝臓に栄養や酸素をもっていく門脈という静脈が、生まれつき小さかったり少なかったりするのです。そうすると、栄養が足りないので、肝臓の細胞が縮小したり、数が減ってしまいます。そこで、肝臓が小さいということがレントゲンでわかります。

そうなると、肝臓でつくられる胆汁酸というものは、肝臓と腸管を循環するのですが、肝臓細胞が少ないと、この胆汁酸がうまく循環せず、通常はほとんどないはずの、総胆汁酸が血液中に残ってしまうということです。つまり、総胆汁酸の排泄能力が低いのです。腸からもどってきて,肝臓でつくられる二次胆汁酸というのは、細胞に障害性があるので、いつまでも残っていると肝臓に悪さをします。(この二次胆汁酸を一次胆汁酸に変換してくれる薬が、ウルソ酸です)

確定診断
肝臓の正検(全身麻酔
CTスキャンによる門脈造影検査で門脈シャントの検査(小さなシャントはみつかりません)

好発犬種は
 ケアンテリア
 ヨークシャテリア


東急ハンズでみつけた、動物にぎやか時計)