ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

変形性関節症とDMOADs

成犬の20%、シニア猫さんだと、99%、変形性関節症があるといわれています。

肩、ひざ、股関節、肘といったところの関節が変形して炎症をおこす病気です。

なんだか、足をひきずる(四足なので、どこの足か見分けるのが難しいですよね)というところからはじまって、関節症は進行していきます。

原因は、
・子犬のころからでしたら、先天的な関節の形成不全 
・感染性
・リウマチ
・外傷
・加齢による変形
・体重負荷

関節が不安定になると、関節の構造異常、靭帯損傷がおきます。
体重が増えたり、
そして、関節が変形すると、
滑膜炎がおきます。滑膜は、関節を包む関節包の内側をおおうもので、ここから軟骨に栄養が供給されます。

滑膜炎がおきると、軟骨が破壊され、
そこから負のスパイラルで、、
微小血流がこわれ、
骨の微小壊死、
骨が固くなる骨硬化
軟骨下骨に負荷がかかり、さらに滑膜炎が悪化し、、
軟骨がこわれていき、、

というような悪循環になります。。

軟骨は再生しません、
軟骨にはほとんど血流がないので、滑膜炎がおきていると、軟骨に栄養がいかなくなってしまうのです、

つまり、
変形性関節症は、進行していくと、、
軟骨が壊されてしまうので、
関節構造は、元に戻らなくなってしまうということです。
最後は人工関節という大掛かりな手術になってしまうということです。


ですから、早めの対策が必要になります。

対策は、
体重を増やさない
適度に運動する

そして、

今、犬さんにとてもいい薬がでています、

DMORDsというもので、
軟骨をとりかこむ環境の悪化を改善する働きがあるといわれています。軟骨修復を活性化するというわれています。
関節の腫脹や滑膜性状や軟骨潰瘍、関節変形による痛み、関節周囲の線維化を改善し、疼痛管理や関節機能改善に効果があるといわれています。
週1回、計4回注射するだけです。
椎間板ヘルニアになりやすいダックスさんに、予防的に行うとよいという北大の奥村先生の話がありました。(椎間板ヘルニアになってからは遅いようですが)

悪化した関節症の管理には、
・疼痛管理の非ステロイドの投薬
・体重管理
サプリメント
  ヒアルロン酸は高分子なので、飲んでも関節に届かないといわれています、、
・運動制限
・レスキュー的な手術

お留守番のごほうび