ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

本当にこわい低アルブミン血症

血液検査をしたとき、
アルブミンが低いですっていわれたら、
かなり、
要注意です。

1)アルブミンとは、

肝臓のみでつくられる大きな分子量のたんぱくです。
半減期は8-10日です。(つまり、1、2日絶食したくらいじゃあ、血液中のアルブミンはさがりません。この数値が低いというのはかなり、大問題なのです)

からだのタンパクの50-65%がアルブミンです。そのほかは、フリブリノーゲンとか、グロブリンです

2)アルブミンの役割は


アルブミンは、血漿膠質浸透圧を維持します。つまり、アルブミンがへってくると、血液から水がでていってしまって、体がむくんだり、胸水がたまったり、腹水がたまったりするのです。

アルブミンは、物質の保持・運搬をします。つまり、薬、脂肪酸、ビリルビン、イオン、カルシウム、ホルモンなどをします。低アルブミンになると、薬の効果がききにくくなったり、タンパク結合薬剤が減って、薬剤増強して副作用がでやすくなったりします。

アルブミンは少ないと、創傷治癒が遅れます、つまり、手術後の傷がなかなか、つかなくて治りが悪くなります。


3)アルブミンが低下する原因は

①飢餓
 タンパク質をとらなければ、当然、減ります。1週間是食すると、低アルブミン血症になります。
体タンパクは、常に一定の割合で脱アミノ・酸化され消費されるため、体タンパクの喪失を防ぐためには、良質なたんぱく質を日々食べないといけないのです。
1週間以上飢餓状態がつづくと、アルブミンの半減期は8-10日なので、今までの貯えもなくなり、
体はエネルギーを体タンパクを異化して調達します。

②悪性腫瘍
  がん細胞は自信の細胞のタンパク合成のために多量のアミノ酸を消費し、他の体タンパクが不足してしまうのです(盗人たけだけしいとは、このことです)

③タンパク漏出性腸症
 食べているのに、やせて、下痢する、
 腸でたんぱくが吸収できない病気です。

④膵外分泌不全
 膵臓の消化酵素がたりなくて、食べたタンパク質をうまく消化吸収できない病気
 食べているのに下痢して、やせていきます

⑤広範囲のやけど、胸膜炎、腹膜炎で
たんぱくを大量に消費してしまう病気

⑥腎臓が悪くなって、尿からタンパクがでてしまっている

⑦敗血症
⑧全身性炎症性反応症候群(SIRS)
  外傷や、子宮蓄膿症、熱中症
咬傷(犬同士のケンカ、咬みキズをあなどることなかれ!!)
急性膵炎、消化管穿孔(異物たべちゃった)、胆嚢破裂。自己免疫疾患

 急性相タンパク産生亢進によるアルブミン産生のダウンレギュレーション(下方制御)によって、アルブミンの産生が低下するからです
  
⑨肝機能低下
 肝臓は唯一、アルブミンを合成する臓器です。この肝臓が機能不全におちいってしまうと、アルブミンが低下します。
肝疾患で低アルブミンになるには、機能的肝細胞の80%が障害された状態です(かなり、エマーっています、がけっぷちです)

⑩門脈シャント、門脈低形成(肝臓に栄養をおくる静脈が少ない)といった先天的に肝臓が小さい、肝機能が弱い

⑪肝臓の腫瘍(肝細胞がんなど)

⑫出血

4)では、低アルブミンがなんで、おそろしいのか

①腹水、胸水がたまる
(循環血液量がへりますので、循環血液量減少性ショックをおこしやすい)

②手術のリスクが高くなる
(循環不全をおこす、傷がつかない)



たとえば、子宮蓄膿症や腸閉塞や、異物による腸炎をおこしていた場合、どうしても手術しないと助かりません、
でも、低アルブミンの状態で手術をした場合、腸管やきったところの傷がつかないので、腸管が壊死して、腹膜炎をおこしたり、続発性の膵炎をおこしたり、急性腎不全になったり、あとから、あとから、悪いことがおきてしまう可能性があります。

③急性腎不全おこし、急死したりする

④肺水腫になりやすい
  血管透過性が亢進するので、肺に水がたまるやすくなり、呼吸が苦しくなります



朝の情報番組で毎朝、血圧を測るとよい、血圧が高かったら、お茶でも飲んでリラックスして、もう一回測るという心臓外科医のコメント(実はこのお医者さんに、わたしの母は心臓バイパス手術をしてもらいました。名医というTVふれこみでしたが、新百合ヶ丘総合病院にいたときに手術してもらいましたが、、、、)

で、さっそく、わたしも朝の血圧を測ったら
じぇじぇじぇ!!血圧が高い
あわてて、うちの犬猫をなでてから、
もう一回測ったら
正常値になっていました、、
犬猫をなでると、血圧が下がるという研究報告がありましたが、本当にそうなんだなって実感しました、
血圧の高い方、毎朝、おうちのワンニャンをなでてみるといいかもしれませんね。