コーギーさんに多い脊髄疾患
コーギーさんは、Mダックスさんと同様、脊髄疾患が多い犬種です。
脊髄疾患には、繊維軟骨塞栓症、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニアと、脊髄変性症があります。
年をとったコーギーさんなら、たいてい、軽い椎間板ヘルニアはもっているだろうといわれています。
重度の椎間板ヘルニアで、起立不能になったりする場合は、手術をおすすめしますが、歩いているような軽度の場合は、内科的治療で様子をみてよいだろうといわれています。
さて、コーギーさんとシェパードさんに多い脊髄変性症についてご紹介します。、
脊髄変性症は、椎間板ヘルニアと症状が似ているのですが、手術をしても回復しないやっかいな病気です。
最初は腰がふらつき、やがて、後肢の不全麻痺をおこして、徐々に前肢に進行していきます。
症状は
・最初は、おしりを落として、左右にふりながら、(ガチョウのように)独特の歩き方をする。
・膝蓋腱反射が消失あるいは低下(これだと末梢神経の障害に判定されます)
・後肢からはじまり、徐々に前肢に進行していき、2.3年後に歩けなくなる。
・急性の椎間板ヘルニアと違って、脊髄の痛みがあまりない。
・末期は、前肢にも進行して歩けなくなり、舌や、のみこみが悪くなり、呼吸困難になって死亡する。
診断
・脊髄造影、CT,MRIの画像診断では、特に異常なし
(これが、診断上、やっかいですね)
・ステロイドなどの内科療法に反応せず
・確定診断は組織診断のみ(死後)
遺伝
SDDIという遺伝子変異がかかわっています。
この病気にかかりやすい犬種は、コーギー、ワイヤーフォックステリア、ボクサー、バーニーズ、シェーパード
治療
内科療法(いまひとつ)
理学療法
この病気になっても、痛みがないので、2.3年は、それなりに暮らせるようです。
徐々に進行するので、後肢が麻痺しても前肢が動ければ、車いすをつけてあげれば、散歩もできるので、残された期間を、ワンコさんが楽しく暮らせるようにしてあげるとよいかもしれません。