ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

MRI検査ですべてがわかるわけじゃない

検査すれば、わかるのですか?
検査すれば、治るのですか?

というご質問よくうけます。

検査したら、すぐに治ったらいいですねー。たしかに。

でも、
検査の種類はいっぱいあって、
そして、
全身麻酔をかけて、高いお金を払ってうけたMRI検査でも、すべてがわかるわけではないのです(機械と違って分解修理できるわけじゃないので)

MRI検査は
 脳や脊髄の構造的な異常や内部の信号強度の異常をみつけだして、そのパターンによって多くの神経疾患を予測することができるのです。



たとえば、てんかんをおこす原因となる
脳炎
脳の腫瘍
水頭症
先天的奇形
血腫・出血

歩けなくなる病気の
椎間板ヘルニア
脊髄腫瘍
脊髄炎
脊髄空洞症
線維軟骨塞栓症


でも、
MRI検査で異常がなくても、
病気であることがあります。

たとえば
特発性てんかん
脳や脳神経の変性疾患
微小な脳梗塞
超急性期の出血

変性性脊髄症(コーギー)
末梢神経の変性疾患

MRI検査して、異常がなくても、
でも、病気がどんどん、進行して、歩けなくなって、最後は呼吸不全で死亡する
悲しい病気に
ウエルッシュ・コーギー・ペンブロークに多い
変性性脊髄症という病気があります。
平均11歳で発症
原因不明の進行性の脊髄の変性症で、
最初は無痛
で、後ろ脚からどんどん、頭のほうに進んでいく
上位運動ニューロン性後肢不全麻痺です。
最初は、ナックリングやふらつきがあり、
半年から1年程度かけて後肢麻痺に進行し
さらに症状が進行すると、胸髄や頸髄にも病変が進行して
たてなくなり
寝たきりになり
四肢麻痺となり
最終的には呼吸不全や誤嚥性肺炎でなくなります。
そんなこわい病気でも、MRI検査では異常所見がないのです。