ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

毛包や皮脂腺の腫瘍

毛包鞘腫
プードルさんの頭にポチっとできる良性の腫瘍です。
硬く、直径1-7センチくらいのものです。


プクっとした液体を含んだような嚢胞の毛包腫もあります。

毛包上皮腫
黄色の顆粒状のチーズ様の物質がはいった、小さな腫瘤です。
スタンプー(アンデイくん、多いです)、バセットハウンド、ゴールデンなどにみられます。
良性のものは、皮内や皮下に嚢胞になり、掻いたりして潰瘍になったり、じくじくしたりします。
治療は、外科的切除です。


悪性の毛包上皮腫はまれですが、皮膚表面に広がり、広範囲の炎症や組織壊死がおこります。他の臓器への転移はほとんどありません。

角化皮膚嚢胞
似たような皮膚の腫瘤に、角化皮膚嚢胞があります。
皮膚のタンパク質であるケラチンでみたされた、フクロ状の腫瘤です。
ボクサーによくみられます。
嚢胞を絞ると、内容物が周りの組織に広がり、炎症が悪化しますので、絞らないほうがいいです。
良性ですので、心配はいりません。治療は外科的切除です。

似たようなもので、
皮脂腺腫
犬の皮膚腫瘍の6-35%占め、皮脂腺嚢胞に間違えやすいです。見た目は、基底細胞腫や毛包上皮腫に似ています。
(つまり、腫瘍は見た目だけでは、なんの腫瘍か、正確に把握できないのです)
皮脂腺腫様過形成というのが、あって、シニアワンコにできやすいです。とくに、テリアに多いです。

テリアに多い皮脂腺腫様過形成

皮脂腺腫
 シニアワンコ(平均11歳くらい)に多く、コッカスパニエルに多いです。
小型のドーム型のもりあがった、境界明瞭な腫瘤です。
皮脂腺癌の場合は、もっと大きく、潰瘍化して、いかにも悪そうな感じになりますね。
キャバリア、ケアンテリア、ハスキーが好発犬種です。

良性の皮膚の腫瘍は、こんな感じ

増大しなければ、様子見で大丈夫です

良性の皮脂腺腫

悪性の皮脂腺癌