犬の卵巣と子宮の腫瘍
犬の卵巣腫瘍のは、腫瘍全体の1%と少なく、子宮の腫瘍は、卵巣腫瘍よりも発生が少ないといわれています。(全腫瘍の0.3-0.4%)
犬の卵巣腫瘍を分類しますと、
胚細胞腫瘍
表層上皮性腫瘍
その他の腫瘍
他の癌の転移(リンパ腫、乳腺癌)
犬の卵巣腫瘍の40-50%は表層上皮性腫瘍といわれています。このなかには、良性の乳頭状嚢胞腺腫、乳頭状腺腫、悪性の乳頭状腺癌があります。
悪性の腺癌の場合、おなかのなかで転移して、肝臓は膵臓、腸間膜、腎臓、脾臓に腫瘍が広がります。
治療は、手術による腫瘍の摘出(可能であれば)と抗がん剤治療です。
残念ながら、悪性の卵巣の腺癌の場合、病気の進行は早いので、腹水がたまったり、元気がなくなったりといった、臨床症状がでているときは、すでに転移していることが多いとわれています。ただ、抗がん剤治療がよくきくといわれていますので、あきらめないでください。
平滑筋腫瘍
子宮や膣内、外陰部にできる腫瘍です。85-90%が良性腫瘍といわれています。
悪性の平滑筋肉腫の発生率は、10%ということです。
子宮の中の腫瘍
犬猫さんの子宮内膜腫瘍の発生率は犬で03.-0.4、猫で0.2-1.5%とたいへん低いです。
人のような、ウイルス感染による子宮頸部の腫瘍は、動物にはないといわれています。
まれな腫瘍なのですが、犬猫さんともに子宮の腺癌の場合、転移率が高く、治療は難しいといわれています。