ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

BUN(血中尿素窒素)とは

一般的な血液検査で、必ず測定するのが、BUN(血中尿素窒素)です。BUNは、血しょう中の尿素と窒素およびクレアチニン濃度を測っています。BUNが高くなると尿毒症になり、命にかかわります。
体の老廃物がたまって気持ち悪くなるので、
吐いたり、下痢したり、食欲不振になり、元気がなくなります。口臭が強くなります。

尿素クレアチニンは腎臓の糸球体の75%以上が機能不全に陥るまで、BUNは上昇しません。つまり、腎臓の機能が75%失われて、はじめて、BUNが上昇するということです。


1)BUNが増加する原因(高窒素血症)

尿素をつくるアンモニアの増加
  尿素は、アンモニアアミノ酸代謝と消化管内の細菌の発酵によって産生される)の解毒を行う肝臓中の尿素サイクルによって、産生されます。
ですので、腸内細菌が増えて、アンモニアが増えると、BUNが上昇します。また、タンパク質過剰の食事をしますと、BUNが増加します。

・脱水や循環血液量の低下や腎臓の血液量が減少しますと、BUNが増加します。
 これらの原因には、うっ血性心不全、副腎皮質機能低下症(アジソン)、糖尿病による浸透圧利尿、子宮蓄膿症、出血性ショック、嘔吐と下痢です。

・腎臓機能がおちて(慢性腎不全、急性腎不全)、血液中の老廃物の排泄ができなくなるため。

・膀胱結石や尿道結石などで、尿がうまく排泄されなくなるため。

・消化管の出血や発熱により、アンモニアが増えて、尿素が増えるため、BUNがあがります。

2)BUNが低下する原因
BUNが上昇する場合が多いですが、なかには、基準値より低いのも問題です。これは、BUNの中の、尿素が低下することが原因です。

・尿崩症
 水分制限をすると、逆にBUNが上昇します。これは、やたらとオシッコをする病気です。
・副腎皮質機能亢進症(多飲多尿、筋肉量の低下のため)
・肝臓機能の低下、肝硬変
 アンモニアを解毒して、尿素をつくる肝臓の機能がおちていると、尿素がつくられなくなるためです。
・門脈シャント(肝機能が悪いため)
・低タンパク食、栄養不良、筋肉量の低下