ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

突然死する胆嚢粘液嚢腫

シェルテイーさんやヨーキーに多い胆嚢の病気です。胆嚢炎や細菌感染が原因で、胆嚢に胆汁が濃縮されてゼリー状になって、ガチガチにつまった状態です。胆嚢も袋ですから、あまりにも詰まってしまいますと、破裂してしまうことがあります。胆汁は、強いアルカリ性物質です。これが、おなかの中にばらまかれますと、腹膜炎をおこし、緑色の腹水がでて、あっというまに急死します。はじめは、無症状で、元気ですが、嘔吐、紅茶のような色の尿(ビリルビン尿。午後テイーの色)腹部を痛がる、黄疸(すべてにでるわけではありません)といった症状がありましたら、かなり緊急事態です。内科的な治療に反応しない場合は、胆嚢を摘出する手術になります。黄疸がでてからの手術は、予後が悪いといわれています。胆嚢が破裂してからの手術は、68%死亡するそうです。
胆泥は、健康犬の53%にあり、肝臓の悪い犬の62%あるといわれています。シニア犬で、シェルテイーさんやヨーキーさんは、注意したほうがよいでしょう。予防は、高タンパク低脂肪食(腎臓が悪い場合を除く)や利胆作用のあるウルソサンの内服などです。