猫伝染性腹膜炎と猫さんのストレス

猫ちゃんのこわい病気に猫伝染性腹膜炎という病気があります。「伝染性」というので、猫にうつる感染症というイメージがありましたが、この病気は猫の接触や食器の共有でうつらないことがわかってきました。たいていの健康な猫さんがもっている病原性のない腸コロナウイルスが、ストレスなどで腸のなかで突然変異して、強い毒性をもったＦＩＰウイルスにかわってしまうことが原因です。この病気にかかると、腹水がたまったり、神経症状がでたり、胸水がたまったり、腎臓が悪くなったりと、生命の危機にさらされます。エイズや白血病など、免疫の弱った猫さんが、発症しやすいといわれています。また、多くの猫さんをひと部屋に集めて密集飼いなどの多頭飼いのような環境で、ネコさんが自分の居場所がないくらいストレスを感じているようなところで、発生しやすいといわれています。この病気にはワクチンはありません。この病気になってしまったら、インターフェロンやステロイドなどの対処療法で根本的治療はありません。やはり、ネコさんに過剰なストレスを与えないほうが長生きの秘訣のようですね。診断は血液検査で、抗体検査とタンパク分画ですが、確定診断には。ＰＣＲという遺伝子検査（定量）が有効です。