ナチュラル志向フードの落とし穴 玄米にご注意
ナチュラル志向なら、100%体にいいかと思いきや
そうでもないのです。
理由は
1)無添加無着色をうたっているけれど、
、
人工着色料や保存剤を避けようとして、天然保存料を使っているけれど、従来使用されている人工保存料ほど安全性や有効性を示すデータは入手できない。
(つまり、エビデンスがない)
従来品と違う、天然保存料を使っで、本当に賞味期間内で、そのフードの栄養的品質が守れるかが、、メーカーの責任にかかっている(つまり、メーカーの信頼性が大事)
2)グルテンフリー(穀物不使用)をうたっているけれど、、
まず
炭水化物源として、従来のペットフードには、コーン、小麦、米、その他の穀物をつかっていますが
その代わりに
ポテト、タピオカ、エンドウ豆、その他のマメ科植物を使用することで
穀物不使用
ということになります。(炭水化物フリーではありません)
これは、アレルギーに配慮しているようにみえますが、
①どうぶつは、肉に比べて穀類が食物アレルギーを引き起こすことは非常に少ないので、
穀物不使用の食事に切り替えても、以前から食べているのと同じ肉を与え続けていれば、真の食物アレルギーであるどうぶつにとって効果は期待できない。
②穀物不使用の食事は低炭水化物食と同じと考える人が多いが、
実は、炭水化物の量は穀物を多く含む食事とさほど変わらない場合が多く、使われている炭水化物は、全粒穀物よりも単純炭水化物の可能性がある。
ということで、炭水化物から穀物不使用にしても、糖尿病の予防にはならないのです。さらに、炭水化物の多い食事ほど猫の糖尿病を引き起こすという根拠はないそうです。
③グルテン不使用の食事といっても、
実はグルテン過敏性腸症で報告されているのは、血縁の近い数頭のアイリッシュセッターだけであるので
その他の犬種や猫がり患したエビデンスは報告されていない。
ということで、消化がいいと信じて、わざわざ、グルテン不使用の高いーっフードを買っても、それだけでは消化器疾患のある犬猫さんにそれほど、恩恵があるわけではないということです。
3)グルテンフリーで、動物性たんぱく質を主体にしていると、、腎臓に負担がかかる
動物性タンパク質を主体にすると窒素代謝物の産生が多くなるので、腎臓に負担もかかり、脱水しやすくなる。
4)玄米をつかっているのは、健康によさそうにみえても、実はそうとは限らない
、
外殻を含む穀類を使用しているフードは、粗灰分が高い傾向にあるため、尿石症になるリスクもある(シーズー、Mシュナさん、ご注意ください)
線維が多すぎると、糞の量がふえて、脱水しやすいです。
十分に水分をとるように気を付けないといけません。
ナチュラルフード、××病院監修、プレミアム、穀物フリー、玄米使用、無添加無着色、ハーブいり、アレルギー対応、スモークサーモンや鹿肉、クコなどの高級素材をつかている、
そんな人間にとってよさそうなフレーズにつられて、高――いドックフードを買っていたのに、実は、栄養学的には意味がなかった、高級素材ははいっていても量が少ないので栄養学的メリットなし、なんてこともあります。はやりのプロバイオテイクスいりのフードといっても、
生菌が腸まで届く品質ではない、逆に菌がふえている、なんてこともあります。
おいしそうなフレーズで飼い主さんにアピールしているだけで、栄養学的にはあまり意味がなかったりする。
逆に健康を害していた、あるいは、とくに役にも立たない、、なんてことも可能性としてありますので、、、
お盆休みで骨休みしてくださいね。
当院の休みは、16日の日曜日の午後のみ休診です。あとは、通常どおりです。突然お休みしてご迷惑をおかけすることが、まれにありますが、お盆は休みません。