ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

皮膚のための食事

皮膚のためというフードが各社からでていると思います。

よくご質問をつけるのが、

「皮膚のためにラムや馬肉をあげています。」

これは、

ラムと馬肉が皮膚にいいという誤解があるようですね。


ラムや馬肉が皮膚にいいということではなくて、
たとえば、今まで鶏肉や牛肉をメインにしているフード
を食べていて、食物アレルギーがでてしまった、
だから、
鶏肉や牛肉にアレルゲンをもっているかもしれないから、

今まで、食べたことのない新奇タンパク質食に
かえましょう、、という意味で

ラムと馬肉がイコール、皮膚のためのタンパク質という「意味ではないのです。

新奇のタンパク質であれば、
ラムだろうと、馬肉であろうと、
シカ肉、カンガルー、サカナ
なんでもいいんです。

この食物アレルギーのために、さらにグレードアップしたのが、加水分解タンパク質食なのです。
つまり、原材料となるたんぱく質を、加水分解して、小さな分子にかえて、体がアレルゲンとして反応しないように配慮したフードということです。
ヒトや犬で過敏症の原因となるのは、分子量が10.000−70.000Daの範囲内にあるたんぱく質であるといわれているので、食物アレルギー用のフードのタンパク質は、タンパク質を3.000-10.000Daレベルにまで低分子化しているということです。

だから、

ラムや馬肉が食物アレルギーのためのお食事ということには、ならないのです。ラムや馬肉を食べ続ければ、もしかしたら、これに対してアレルゲンをもってしまう可能性もあるのです。


では、皮膚のための食事というのは、どういうものかといいますと、

タンパク質を低分子化した療法食以外には、

皮膚バリア機能をたかめてあげる成分を添加してあげているということです。

皮膚のバリア機能を高める栄養成分は

具体的には、
多価不飽和脂肪酸
 皮膚表面の水脂質膜を形成
 つまり、これが足りなくなると、カサカサの皮膚になるということですね。
 特に、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は、細胞膜の柔軟性の維持、コレステロール代謝と輸送にもかかわるので、大事な栄養成分といわれています。

タンパク質・アミノ酸
 タンパク質が皮膚のために悪いというわけではないのです。体に必要なアミノ酸をとらないといけません。ダイエットしすぎると、肌がカサカサで悪くなるのと同じですね。角化細胞(皮膚の細胞)の生成にはすべての必須アミノ酸の十分な摂取が必要です。

ビタミンA
 正常な角化に必須(皮膚の細胞)

ビオチン
 多価不飽和脂肪酸代謝に必須

ビタミンC
 角質細胞間脂質の形成に重要

亜鉛
 皮膚の水分喪失と角化異常を軽減

ニコチンアミ
 角質層における遊離脂肪酸セラミドの濃度を増加

水溶性ビタミン
 多価不飽和脂肪酸代謝を促進

ビタミンE
 皮脂腺から分泌、脂肪の酸化を抑制

皮膚バリア機能を維持することによって、水分の減少による皮膚の乾燥と、それに伴う環境抗原への反応を軽減してくれる、細菌や真菌などへの抵抗を強くしてくれる、といわれています。


皮膚のためにも2週間に一回のシャンプーをおすすめします。
リンス・イン・シャンプーよりも、人間と一緒で
シャンプーとコンデイショナー両方つかったほうが、しっとりした毛づやがでますね。おまた、脇の洗いの残しにご注意ください。


先日、お庭でマダニが大量に発生して、
体中マダニだらけのワンコさんがきました。(顔の上をマダニが走っている!!)
お庭に殺虫剤をまいて、マダニ処理をするようにおすすめしましたが、
ネットで調べたら殺虫剤はこわいので、雑草とりだけするとのことでした。
雑草をとっても、ダニがそのへんに落ちていて、タマゴをうんで増えていったら、同じことなんですけれども、
ご理解いただけませんでした。せめて、月に1回、ワンコさんにダニ予防薬をつかうようにおすすめしましたが、
ピンセットでぬけばいいというお返事で、、
ダニの体の一部が皮膚に残ると、そこが化膿したり、皮膚炎のもとになるよとお話ししましたが、聞く耳もたぬというようで、
こちらのご説明の力不足を感じましたが、
残念ですね。
適切な量で使用した殺虫剤のほうが、マダニの大量発生よりも危険ではないし、マダニが人間に病気を媒介するほうが、より危険だと思うのですが、、
なによりも、その飼い犬さんと、ご近所のワンコさんも気の毒です。
ノミダニ予防は、公共マナーという意識をもってほしいものです。
春と秋は、マダニの繁殖期(若ダニや幼ダニが増える)ですから、みなさま、マダニ予防はしっかりされたほうがいいですね。マダニに刺されて人間が死んだことも、ニュースで報道されて、記憶に新しいですね。