ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

シクロスポリンと血液凝固作用

このブログを読んだ方からメールにてご相談をうけました。
内容は

アトピー性皮膚炎のため、アトピカをかかりつけで処方されたとのこと(4歳のフレンチブル)
ところが、
アトピカを飲み始めたら、けいれん発作を起こすようになったということで、

このブログで脳炎のコラムをご覧になって、
フレンチブルは脳炎が多いという内容をコラムでご紹介したので、とても心配だというメールをいただきました。

アトピカは
シクロスポリンで、どちらかというと、脳炎の治療にも用いるような薬であるので、けいれん発作を誘発するのは、
なにかあるのではないかと思いまして、
MRI検査をおすすめしました。

で、
飼い主様はすぐにMRI検査をうけられて、
たいへん残念なことに、大きな脳腫瘍が発見されたとのことでした。放射線治療をされるということでした。



なぜ
アトピカがけいれんを誘発したのかしら、

と思って調べたところ


アメリカのミシシッピー州立大学の研究報告によると、

ヒトの医療では、免疫抑制剤(シクロスポリン)の投与で血液が凝固しやすくなり、血栓塞栓症の発現が問題になっている。犬の場合はどうかというと、8頭の犬をつかって免疫抑制容量(高容量)とアトピー治療用用(低用量)で試験した。血液凝固反応マーカー、代謝物量などなどを測定した結果、
1週間後
すべての血液凝固マーカーは凝固促進の数値を示したとのことでした。

ということで、

犬でもヒトの場合と同じようにシクロスポリンは血小板の原形質膜を変性させ、トロンボキサン産生(血小板を凝集させ、血管を収縮させる物質)を亢進し、血栓塞栓症をおこりやすくする可能性がありうとのことでした。

だから、

脳腫瘍があったワンコさんが
アトピカを飲んだら、
けいれん発作がおきたのですね。
シクロスポリンは悪性リンパ腫を誘発するので、腫瘍がある場合は服用できないこともあります。

シクロスポリンの副作用(メーカーHP)
http://www.neoral.jp/faq/q_113.html

ネットでアトピカやヒト用のシクロスポリン製剤が販売されていますが、これは副作用が多いので、この劇薬をあやしげなサイトから買って、漫然と飲み続けるのは、中国産の有害食品と同じくらい弊害がありそう


チャイナフリーの生活をしたい、、
中国の金持ちが、日本に有害食品を輸出して得たお金で、日本の安全な国産品の食糧を買い、我々庶民が、中国の有害な食糧に毒されるなんて、本末転倒ですよね、
いくらデフレ経済のひずみとはいえ、、

アメリカみたいに、チャイナフリー(中国製のモノはいっさい含まれていませんという意味)というラベルをちゃんと貼って表示してほしいです。

日本のアクセサリー類が中国の鉛に汚染されているそうです。

厚生労働省のHP
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/tp0308-1.html
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/424/424570.html

犬用のアクセサリー、鉛がはいってるかもしれませんので、チェックされたほうがいいかも、、特に100円ショップのものは危ないといわれています。