免疫抑制剤のこと
免疫系は、体の病原体や腫瘍から守るという重要な役目を担った複雑なシステムですが、ときにほころびが生じて自己免疫疾患やアレルギーを引き起こす場合があります(今のつらい花粉症など、免疫系システムのほころびですよね!)
高性能なマシンは複雑なシステムになっているので、一か所でどこか異常があると、治すのがたいへんですよねーー。まあ、そういうことで、免疫系の異常がおきると、治療はなかなかやっかいです。
どういうときに免疫抑制剤を使うか、
・ 自分の体の組織に対して抗体反応ができて、自分で自分をこわしてしまうような、自己免疫疾患
(免疫介在性溶血性貧血、免疫介在性糸球体腎炎、後天性重症筋無力症)
・外部の抗原に体が過剰に反応してしまう、
アレルギー性疾患
(アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)
・炎症性腸疾患
・慢性口内炎
・肛門周囲婁
・白血病
・臓器移植(ほかの個体の臓器を移植されると、当然、体はアレルギーなどの反応を示しますよね)
など
免疫抑制剤を飲むときの注意
・免疫系以外に疾患の発症要因がないかどうか
・感染症や悪性腫瘍の抑えこみが脆弱化するので、注意が必要
・糖・脂肪代謝、肝臓機能、腎臓機能への影響があるので、モニタリングしながら投与する
免疫抑制剤にはどういうものがあるか
・副腎皮質ステロイド
・カルシニューリン阻害薬
シクロスポリン、タクロリムス
(アトピカなどのアレルギーの薬)
・細胞毒性薬
アザチオプリン、シクロフォスマミド、ビンクリスチン
(抗がん剤として使用します)
・免疫グロブリン療法
人の免疫グロブリンなので、犬の場合、それに対しての抗体ができるので、継続使用ができません。一過性の効果しか期待できないといわれています。
・サイトカイン阻害剤
(犬猫には効果ないといわれています)
(岡上の桜)