ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

ジステンバーウイルス

毎年、追加接種するワクチンには、ジステンバーウイルスがあります。

この病気は実際に、まだ、国内にあるウイルスですので、予防が大事です

1)感染経路
 口、鼻からウイルスが侵入することで感染します
 

①飛沫(ヒマツ)感染 :感染したイヌのくしゃみなどの飛沫を空気と一緒に吸い込んで感染します。

②間接感染 :感染したイヌが使ったブラシ、寝床、食器、おもちゃなどを使ったことにより感染します。

③直接感染 :感染したイヌの鼻や口に触れたり、感染したイヌが他のイヌをかんだり、なめたときに感染します。


2)症状

 ジステンパーウイルスに感染すると、4〜6日後に初期症状として、発熱、食欲不振といった軽い症状が起きます

免疫力の弱い子犬や高齢犬では、ウイルスを撃退しきれず、体力は低下してしまい、ジステンパー以外の細菌などに二次感染しやすく、状態が悪化してしまいます。

 元気食欲がなくなる
 発熱
 鼻水、くしゃみ、咳、
 目やに
 下痢 嘔吐
 顔面のけいれん(チック症状)
 運動障害
 全身発作などの神経症
 ハードパット(鼻や肉球が硬くなる)
 
近年は、消化器症状よりも、神経症状だけがでる傾向があるといわれています。

3)ウイルスの動向


ジステンバーウイルスは、気道上皮や局所リンパ節にはいりこみ、2−4日で増殖はピークになります。
その後、数日遅れて、ジステンバーウイルス血症(GDV)になり、
全身に拡散します。

こうして、発熱、リンパ球減少症になります。


次に
眼、皮膚、中枢神経系などの全身の上皮系組織感染に進んでいきます。このあとは、長期間ウイルスが組織にある状態が続きます。

ジステンバーウイルス感染後、2週間で免疫応答がおきますが、骨髄、リンパ組織への感染によって、免疫抑制がおき、特に、免疫力の弱い子犬やシニア犬で、症状が重篤になり、命にかかわります。

ジステンバーウイルスは、神経細胞内にはいりこみ、慢性脳炎をおこしたり、神経細胞を破壊していきます。



4)治療

 神経症状が出てしまう前に、発見して、治療することが重要ですが、ウイルスに直接きく薬はありません。
対処療法が中心になります

ほかの犬に感染しないように、隔離します

食欲がなく、ぐったりしているので、

隔離入院
静脈輸液
抗生剤(クロマイなど)
低血糖管理

感染性脊髄炎になったら
ステロイド

発作には、抗けいれん薬



5)予防

 ジステンパーの予防には年1回のワクチン接種が有効です、弱毒生ワクチンで、免疫持続期間が最低でも12か月といわれています。

ジステンバーウイルスCommentsAdd Star

編集

毎年、追加接種するワクチンには、ジステンバーウイルスがあります。

この病気は実際に、まだ、国内にあるウイルスですので、予防が大事です

1)感染経路
 口、鼻からウイルスが侵入することで感染します
 

①飛沫(ヒマツ)感染 :感染したイヌのくしゃみなどの飛沫を空気と一緒に吸い込んで感染します。

②間接感染 :感染したイヌが使ったブラシ、寝床、食器、おもちゃなどを使ったことにより感染します。

③直接感染 :感染したイヌの鼻や口に触れたり、感染したイヌが他のイヌをかんだり、なめたときに感染します。


2)症状

 ジステンパーウイルスに感染すると、4〜6日後に初期症状として、発熱、食欲不振といった軽い症状が起きます

免疫力の弱い子犬や高齢犬では、ウイルスを撃退しきれず、体力は低下してしまい、ジステンパー以外の細菌などに二次感染しやすく、状態が悪化してしまいます。

 元気食欲がなくなる
 発熱
 鼻水、くしゃみ、咳、
 目やに
 下痢 嘔吐
 顔面のけいれん(チック症状)
 運動障害
 全身発作などの神経症
 ハードパット(鼻や肉球が硬くなる)
 
近年は、消化器症状よりも、神経症状だけがでる傾向があるといわれています。

3)ウイルスの動向


ジステンバーウイルスは、気道上皮や局所リンパ節にはいりこみ、2−4日で増殖はピークになります。
その後、数日遅れて、ジステンバーウイルス血症(GDV)になり、
全身に拡散します。

こうして、発熱、リンパ球減少症になります。


次に
眼、皮膚、中枢神経系などの全身の上皮系組織感染に進んでいきます。このあとは、長期間ウイルスが組織にある状態が続きます。

ジステンバーウイルス感染後、2週間で免疫応答がおきますが、骨髄、リンパ組織への感染によって、免疫抑制がおき、特に、免疫力の弱い子犬やシニア犬で、症状が重篤になり、命にかかわります。

ジステンバーウイルスは、神経細胞内にはいりこみ、慢性脳炎をおこしたり、神経細胞を破壊していきます。



4)治療

 神経症状が出てしまう前に、発見して、治療することが重要ですが、ウイルスに直接きく薬はありません。
対処療法が中心になります

ほかの犬に感染しないように、隔離します

食欲がなく、ぐったりしているので、

隔離入院
静脈輸液
抗生剤(クロマイなど)
低血糖管理

感染性脊髄炎になったら
ステロイド

発作には、抗けいれん薬



5)予防

 ジステンパーの予防には年1回のワクチン接種が有効です、弱毒生ワクチンで、免疫持続期間が最低でも12か月といわれています。


マスクだけでは、こわいウイルスから身を守れるないかも