ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

血栓塞栓症

犬猫さんにも血栓塞栓症という病気があります。

原因は
 人の場合ですと、動脈硬化高脂血症などですが、

犬猫さんの場合は、全身性の代謝性疾患から続発するものといわれています(病気になると、あとから、あとから、いろんな病気にかかるっていうことですね)

・猫の場合は、心筋症が多いです(後ろ足が麻痺する)
・血管やリンパ管が腫瘍などで閉塞する
・膵炎
・クッシング(副腎皮質ホルモン亢進症。ステロイドホルモンが血栓をつくる可能性あり)
・タンパク漏出性腎症
・タンパク漏出性腸症
・敗血症(パルボウイルスなどの感染症
・免疫介在性溶血性貧血
フィラリア感染

症状は

大動脈血栓症( 猫に多い)
 後ろ足がマヒする
 爪が白くなって血が通っていない
 
猫ちゃんの場合ですと、急性が多く、突然後ろ足が麻痺する、とても痛がります。太ももの内側にある股動脈圧がさわれなくなります(血栓で末梢に血液が流れなくなるから)。急性の場合、死亡するケースが多いです。

犬の場合は、急性あるいは慢性の症状です。
慢性の場合は、背中をさわると痛がる、散歩に行きたがらない、といった症状です。(股動脈圧はさわれる)


肺動脈血栓症
  呼吸困難になる
  チアノーゼ(舌の色が真っ青になる)
  レントゲンは正常の場合もあったり、胸水がたまったりします。

前大静脈血栓症
  頭や顔がすごく、むくむ(浮腫)
  前肢がむくむ
  結膜が充血する
  胸水や乳び胸(胸に水がたまる。レントゲン検査)
 
 この場合は、胸の中にリンパ腫があって、顔がバンバンに腫れることが原因になります。

門脈血栓症
 脾臓の静脈や腸間膜静脈、肝臓の中の門脈に血栓ができる場合です。
腸間膜に血栓ができると、腸に血流がいかなくなり、腸が壊死しますので、かなりのエマージェンシーです。

診断は
 症状からの推測
 エコー検査
 CT検査(造影)
 血液検査(凝固系の検査)
 犬の場合は、D−ダイマーという臨床検査

治療
 輸血
 急性の場合は低分子ヘパリンの投与(抗凝固療法)
 抗血小板療法には、アスピリン(胃腸の出血注意)
 血栓をとかすのは、なかなか難しい場合が多いです。
出血を助長するので、慎重な投与が必要になります。


京都の皮膚科の先生の面白いブログをみつけました。
ドクターコスメはやばいっという専門家の意見は参考になります。
http://www.aiko-hifuka-clinic.com/mt/cat24/