血栓塞栓症
犬猫さんにも血栓塞栓症という病気があります。
犬猫さんの場合は、全身性の代謝性疾患から続発するものといわれています(病気になると、あとから、あとから、いろんな病気にかかるっていうことですね)
・猫の場合は、心筋症が多いです(後ろ足が麻痺する)
・血管やリンパ管が腫瘍などで閉塞する
・膵炎
・クッシング(副腎皮質ホルモン亢進症。ステロイドホルモンが血栓をつくる可能性あり)
・タンパク漏出性腎症
・タンパク漏出性腸症
・敗血症(パルボウイルスなどの感染症)
・免疫介在性溶血性貧血
・フィラリア感染
症状は
大動脈血栓症( 猫に多い)
後ろ足がマヒする
爪が白くなって血が通っていない
猫ちゃんの場合ですと、急性が多く、突然後ろ足が麻痺する、とても痛がります。太ももの内側にある股動脈圧がさわれなくなります(血栓で末梢に血液が流れなくなるから)。急性の場合、死亡するケースが多いです。
犬の場合は、急性あるいは慢性の症状です。
慢性の場合は、背中をさわると痛がる、散歩に行きたがらない、といった症状です。(股動脈圧はさわれる)
肺動脈血栓症、
呼吸困難になる
チアノーゼ(舌の色が真っ青になる)
レントゲンは正常の場合もあったり、胸水がたまったりします。
前大静脈血栓症
頭や顔がすごく、むくむ(浮腫)
前肢がむくむ
結膜が充血する
胸水や乳び胸(胸に水がたまる。レントゲン検査)
この場合は、胸の中にリンパ腫があって、顔がバンバンに腫れることが原因になります。
門脈血栓症
脾臓の静脈や腸間膜静脈、肝臓の中の門脈に血栓ができる場合です。
腸間膜に血栓ができると、腸に血流がいかなくなり、腸が壊死しますので、かなりのエマージェンシーです。
診断は
症状からの推測
エコー検査
CT検査(造影)
血液検査(凝固系の検査)
犬の場合は、D−ダイマーという臨床検査
治療
輸血
急性の場合は低分子ヘパリンの投与(抗凝固療法)
抗血小板療法には、アスピリン(胃腸の出血注意)
血栓をとかすのは、なかなか難しい場合が多いです。
出血を助長するので、慎重な投与が必要になります。
京都の皮膚科の先生の面白いブログをみつけました。
ドクターコスメはやばいっという専門家の意見は参考になります。
http://www.aiko-hifuka-clinic.com/mt/cat24/