ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

2週間持続する抗生剤のお注射

犬猫さん(特に猫さん!)に薬を毎日飲ませるのはたいへんですよね。ついつい忘れたり、飲ませたのに、実は犬猫さんが飲んだふりして、ぺって吐いたりして、確実に飲ませるのがたいへんな場合が多いです。

抗菌剤を毎日投与する場合で、血中濃度が急激に下がったときに効果が低下し、耐性菌が発現しやすくなるといわれています。
抗生剤を飲んだり飲まなかったりしていると、薬がうまくきかなくなる可能性があります。

1回のお注射で2週間持続する抗生剤のお注射(コンベニア注)がありますが、この注射のメリットは

①胃腸の弱い犬猫さんでは、胃腸を通過しないので、胃腸障害がでにくい。
注射ですので、直接血液にはいり、血液中のタンパク質に薬剤が結合します。

②耐性菌がでにくいこと。
つまり、内服の場合、薬を飲んだり飲まなかったりということがありますが、注射ですので、そういうことがなく、確実に体内にはいり、徐々に血中濃度が下がるからです。

犬の皮膚病の大半は細菌感染が多いといわれています。2週間、きっちりと抗生剤を飲ますのは、なかなかたいへんです。コンベニア注射でしたら、投薬の手間もなく、確実に投与できます。そして、犬の細菌性皮膚炎の原因菌は、スタフィロコッカス・インターメデイウスが主たる原因といわれており、コンベニア注射はこの細菌への抗菌作用があります。


(コンベニア注射は、ウサギ、ハムスターには使えません。かれらは、セファム系抗菌剤が禁忌とされています)