ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

胃腸薬

胃腸薬にはいろいろあります

1)メトクロプラミド(プリンペラン)
 昔からある、制吐剤
 消化管運動を促進します

2)オンダンセトロン
 めっちゃ高い薬なので、めったに使わないです
 安全性で有効性が高いです
 中枢性と末梢性の制吐剤

3)クエン酸マロピタント(セレニア)
 神経伝達物質サブサンタンスPの受容体NK1の拮抗薬
 つまり、
 悪心、嘔吐の神経伝達物質のひとつを抑えてくれる
 乗り物酔いに、よくききます。
 1日1回でオッケー
 でも、高い。。。抗がん剤の吐き気どめにもいいです。
 犬も猫もオッケーで安全かつ効果的といわれています

4)プロトンポンプ阻害剤
 オメプラゾールです
  1日1回でオッケー。でも割って飲むことができない
  胃酸分泌抑制効果があります(ガスターよりも強い)

5)スクラルファート
  粘膜抵抗強化薬
 胃の粘膜の炎症や潰瘍を保護してくれる薬です
 粉薬かシロップ(まずい!!!)
 食事と一緒にあげると効果がおちます。(胃の中の食物タンパクがあると、薬が希釈され、薬効が低下する)
 食前か寝る前の胃の中が空っぽのときが望ましいです。
ほかの薬を一緒にあげると、他の薬剤を吸着し、薬の吸収を抑制する可能性があります。抗生剤とか、甲状腺ホルモンとか、ウルソなどとはいっしょに飲まないようにしてください

6)モサプリド(プロナミド)
 消化管運動を改善します
 副作用は少なく安全性が高いといわれています
 
7)エリスロマイシン
 モチリン様薬です
 抗生剤です。
 モチリンは、空腹時に十二指腸から分泌される消化管ホルモンで
 、消化管運動を促進させます
 
8)催吐剤
 3%オキシドール(犬猫さんで5-10ml飲ませる)
 キシラジンという注射
 食塩(テイースプーン1-3杯程度)
 トラネキサム酸の静脈注射 

例えば
食道炎になったら、
 胃から逆流する強酸の胃酸は食道の天敵なので、
 胃酸を減らす薬
 胃の運動を改善する(胃内の量的除去)
 食道括約筋の緊張を高める(プリンペラン、プロナミド)
 粘膜を保護するスクラルファート


薬を数種類飲むことになります。一つの薬だけで治ればいいですけれどね
前にこんなに薬を飲んで大丈夫か(吐いて下痢している)
というおたずねがありましたが、
薬の作用はいろいろなので、1種類の薬だけでは症状は抑えられません。
吐いていれば吐き気どめ
下痢していれば下痢止め
最低2種類は飲まないといけませんよね、、、
無駄な薬はだしたくありませんが、しかたがありません。
早く楽にしてあげたいし、