ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

猫白血病ウイルス感染症

猫の白血病、、ワクチンがでてはいますが、、、

最近、あんまりみないなーって思っていたら

子猫の野良猫ちゃんを保護された方が検診にいらして、

調べたら、白血病ウイルス陽性という結果がでてしまいました、

そうかあ、、まだまだ根絶はしていないんだな、、、、と残念な結果になりました。

 

1.原因

 ウイルス感染(レトロウイルス)

2.感染機序

 接触感染、胎盤、乳汁感染

3.感染すると

 まずは口の中の咽頭部の局所リンパ節で増えます

 でも、そこで免疫力があると、ウイルスは体内から完全に除去され、ウイルスが全身に広がることはなく、抗原検査でも陽性にはなりません。

 でも、免疫が不十分だと、血液中のリンパ球などの単核細胞に感染し、ウイルスが血液中に広がります(ウイルス血症)

 1) 急性感染期

  倦怠感、発熱、リンパ節の腫れ、

  ウイルスを排泄し、他の猫にうつす可能性がでます

 2) 3通りのパターンがあります

 ① 病気を克服するハッピーな猫ちゃん

急性感染期をなんとか、やりすごして、ウイルス血症が収束し、体内からウイルスが完全に除去されるので、ほかの猫にうつすことはなくなります

 ② ウイルスが体の中に潜んでしまう、残念な猫ちゃん

ウイルス血症は収束して猫ちゃんは無事に生還するものの、骨髄の造血前駆細胞にウイルスが感染して不顕性感染状態となるため、免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化して感染性をもつことがあります。

  つまり、いったんは治るけれど、シニアになって、免疫力がおちたりすると、体の中に潜んでいたウイルスが活性化して感染源になるということです。

③ 生涯、感染性をもってしまう、アンハッピーな猫ちゃん

 免疫反応が不十分で、16週間以上、ウイルス血症になると、生涯にわたって感染性を持ち続ける。ウイルス血症を持続すると、数か月から数年は重篤な症状なく過ごしますが、最終的にが、造血系悪性腫瘍、免疫介在性の病気、骨髄抑制、二次感染などで猫白血病ウイルス関連症候群となって、死亡します。

死亡率は、2年間で50% 3年間で80%

 

同居の猫ちゃんがいなければ、白血病の猫ちゃんを保護したとしても、その子のケアだけですみますが、同居の猫ちゃんがいると、やっかいです。

まずは、白血病のワクチン接種と、隔離生活(一言でいっても、難しいですが)が必要になります

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 だんだん、秋めいてきましたね

お散歩の季節ですーーー