先天性の水頭症
あんまり、
お目にかかりませんが
犬にも先天性の水頭症があります。
水頭症とは
脳の脊髄液が脳室にたくさんたまった状態です。
頭というのは固い頭蓋骨におおわれているので、
そこで、液体がたくさんたまってしまうと、
蓋の閉まった硬い缶のなかで、一か所の容積が増えたら、ほかのところが圧迫されますよね。
ということで、
脳が圧迫されてしまうのです。
そうなると、
神経細胞がダメージをうけて
神経細胞が死んだり
機能障害がおきたり、
防水シートみたいに、脳室を覆っているもの(脳室上皮)が破たんしたり、
最終的には
死んでしまうかもしれない
こわい病気です。
1)多い犬種
トイ種と短頭腫に多いです
(チワワとか、パグとか)
2)外観
おでこがでっぱっている
眼がロンパリ(左右に目玉がむいている)
ナナメの眼付き
発育が悪いので、小さい
チワワによくある、泉門(頭の頂上)があいているからといって、水頭症というわけではないので、ご注意くださいね。
3)症状
主として行動異常です
トイレのしつけができない、覚えが悪い
けいれん
歩けない
旋回する
うまく立てない。たっても回る
よくころんだり、倒れる
眼が見えていない
意識レベルが低い(ぼーっとしている)
4)診断
頭にエコーをあてる
MRI
CT
5)治療
内科療法で、脳圧があがらないように、
利尿剤やステロイドなどの内服
オメプラゾール(脳脊髄液の産生を抑える)
麻布大学では、脳室腹腔シャント術という、外科手術だそうです。
頭をドリルであけて、
たまっている脳脊髄液をおなかのほうに流すという
脳室腹腔シャント術です。
頭に管をいれて、それを皮下をとおして、おなかにクダをいれて、余分な脳脊髄液を取り除くという手術です。
早期に行うことで、脳のダメージを最小に抑えることができるということです。
6)予後
手術をした場合、
人では長期死亡率(10年)10%
犬は術後3か月でが死亡や合併症がありますが、 それ以降は長生きするそうです。
ペットショップでご購入になるときに
できれば、健康なワンコを選んだほうが
のちのち、悲しい思いをしなくてすむかもしれませんので、
病気のワンコをちゃんと世話したいという積極的な理由がなければ、
眼がロンパリで、なんとなく、ぼーっとしているような
ワンコさんは選ばないほうが無難かもしれません。
もちろん、そういう外貌のワンコが全部水頭症というわけではありませんし、
そう決めつけてもいけません。
おうちのワンが病気になったら、おうちの中まで暗く、不幸なムードになってしまいますので、
猫の水頭症の原因は
先天性は少なく
後天性が多いとのことです。
後天性の原因は
一番は、猫伝染性腹膜炎による脳炎
外傷、脳炎、脳の中の出血、腫瘍です