ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

肝臓の腫瘍

中-高齢犬になると、肝臓に腫瘍ができることが多くなるといわれています。

1)症状は
進行するまで無症状であることが多いです

進行すると、
・おなかがふくれる
低血糖神経症状を起こす)
・食欲不振、嘔吐

最悪のケースは
・肝臓の腫瘍が破裂する(救命は難しい)
 
 肝不全になって、腹水がたまり、黄疸がでる


  
2)検査・診断
 エコー検査と針生検(出血の危険あり)
 画像診断だけでは、リンパ腫かどうかは判別できません(組織をとって病理検査)

 CT検査

3)治療
肝臓に腫瘍があるからといって、まるごと切除することはできません。唯一無二の臓器だからです。
そこが、子宮卵巣や前立腺との大きな違いです。

大きな単一の腫瘍であれば、外科的に摘出
 ほかの臓器に転移していれば、腫瘍の破裂を予防する、腹水、おなかがふくれて食欲がでない、などの症状を改善するために外科的切除も考慮されますが、完治は難しいです。
リンパ腫や肥満細胞腫であれば、抗腫瘍薬の治療

4)予後

肝細胞がんで、摘出できれば、予後はいいとのことです。

肉腫は予後は悪いですが、転移が確認されない場合、完全切除が可能な場合があります。(転移していなくて完全にとれれば、予後はいいですよね)

ただ、症状がでたときは、すでに進行した状態なので、完治するのは難しい場合が多いですよね。