ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

酵母様真菌

下痢しているワンコさんの検便をすると、
ウサギの糞にみられるような形の酵母様真菌をみることがあります。(ゲタさんって呼んでいます)

これを治療するべきか、どうか

論文検索の結果は、、

胃内、そして便中の酵母についてある程度の量の便中酵母は正常であり、一部の犬にはSaccharomycopsis guttulatusと呼ばれる酵母が大量にでることもあるけれども、病原性は無いとありました。

猫の胃のバイオプシーで表層に酵母が出たが、意義はあるのか?プロバイオティクスや抗真菌薬も実施した方が良いのか?と言う質問がありましたが、胃内の酵母については消化の役割や食事中に存在していると言った複数の理由から存在するし、表在性のコンタミであるかぎり心配はせず、酵母に対する治療もしないでしょう、といわれています。


もう一つは慢性嘔吐のある犬で18時間の絶食後内視鏡検査をしたところ、大量の食事がまだ残っており、バイオプシーには大量のcyniclomyces guttulatus酵母が有ったという症例が出ていました。酵母は消化物中のただの通りすがりの微生物のようだ、とあり、又胃に食物が長時間にわたって居座っているために増殖しているのかも知れないと書かれていました。
http://beta.vin.com/Members/boards/discussionviewer.aspx?ThreadId=266615&SAId=1

ということで、
下痢や嘔吐の症状がひどく続くようなことがなければ、
この酵母様真菌のために、わざわざ、肝臓を悪くするような抗真菌剤を使う必要はないのです。

通常の下痢止めの薬や、プロバイオテイクスといった腸内細菌を整える薬のほうが、体に負担もないですね!

あとは、フードの賞味期限きれとか、開封して1か月以上たっているか、フードがいたんでいないか、というのもチェックしたほうがいいと思います。
フードは、キッチン用の密閉容器にいれて、保管するのが、おすすめです


わたしが、去年、十国峠から撮った写真です。寒かったー