ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

ペットフードの表示

ペットフードをどう選べばよいかというご相談をよく、うけます。


まず、ペットフードは、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」というのがあって(これは、「不当景品類及び不当表示防止法」という法律をうけたものです)、業界団体が公正取引員会の認定を受けて、景品類や表示に関する事項について設定した自主的なルールのことです。


ですので、

まず、このちゃんとした法律に基づいた、ちゃんとした会社がつくったものであることが大事ですよね。

①まず、ペットフード公正取引協議会
に加盟している団体であること。(一般社団法人ペットフード協会)


ペットフード公正取引協議会のHP
http://www.pffta.org/

ペットフード協会
http://www.petfood.or.jp/

②総合栄養食
「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。」と商品にかいてあること。


③不当表示がないこと。
日本のペットフード公正取引協議会の規約で、総合栄養食の栄養基準にAAFCOのガイドラインを反映しています。AAFCOはあくまでも栄養基準などのガイドラインを提供する機関であり、認定や認証などペットフードの合否判定を行う機関ではありません。ですので、以下のような表示は不当表示になります。

不当表示例 
AAFCO認定、AAFCO承認、AAFCO合格

③内容量、給与方法、賞味期間または製造年月日、成分、原材料名(多い順に列挙しています)、原産国、
事業者の氏名または名称及び住所

が明記されていること。

④誇大広告になっていないこと。
たとえば、肝臓や心臓がよくなりますよーとか、いい加減なことを書いてないこと。

ペットフードは、薬事法で定める動物用医薬品ではありませんのでパッケージや広告等で疾病の予防や効果効能を標榜することはできません。

⑤保証分析値ーー製品の規格を表す
 ペットフードに含まれる栄養素の許容値のこと

 乾物量分析値ーー水分を除いた後の固形成分の栄養バランスを示します」
 つまり、製品そのものの栄養バランスを正確に表す値

というように、栄養バランスをちゃんと分析していること


⑥原材料名の表示が正確であること

 規約では、原材料名を商品名、絵、写真、説明などに書く場合は、その原材料が内容量の5%以上使用されていなければならないことなっています。
5%未満の場合は、「ツナいり」「ツナ味」「ツナ風味」「ツナフレーバー」という表示になります
缶詰に「ツナ&チキン}とあったら、ツナとチキンがそれぞれ、5%以上はいっているんだなってことがわかります。ツナ味と書いてあったら、ツナが5%未満なんだなってことですね。
猫ちゃんが主食として食べるフードに含まれるタンパク質の量は30-45%(乾物分析量)といわれていますので、
5%以下のツナ味だけの缶詰だったり、
100%のツナ缶詰(まぐろの赤身のたんぱく質は80-95%)だけを食べていると、栄養バランスが悪くなりますよね。

⑦根拠のない「無添加、無着色、フレッシュ、生、ナチュラル」といった優良誤認の表示がないこと。

冷蔵庫にいれる野菜が3,4日でしなびるのに、なんで、開封1か月も常温で使いづつける、ドライフードが無添加無着色、天然、自然、生、となるのか、わたしはきわめて疑問に思います。

ある種の添加物について、不使用、無添加と表示することは可能ですが、すべてを無添加といいきるのは、無理ですよね。(全部無添加なら、なにもはいっていないことになる??)

どういうものを使っていないのか
どういうものを使っているのか
をきちんと表示してことこその「無添加」ではないでしょうか。

製造時に添加していなくても、キャリーオーバー(原材料中に微量に含まれる添加物で、使用した食品には微量で効果がないもの)などにより製品に残留する可能性がある場合は、「無添加」という表示はできないことになっています。

ペットフードの場合、脂肪分を多く含むため、製造の保存性をよくするために酸化防止剤が使用されることがあります。たとえば、「合成酸化防止無添加」と表示されたペットフードであれば、ペットフードを製造する段階で酸化防止剤として合成ではなく、自然派の成分を使用しているということですね。
(遺伝子組み換え大豆を使用していませんと書いてあれば、自然の大豆を使用しているんだなーって思うのと同じですね)

栄養を調節するために添加されるミネラル類やビタミン類も、分類の上では、食品添加物に分類されますので、
栄養バランスに優れた総合栄養食は、ビタミンやミネラル。アミノ酸を添加することで微調整しますので、
主食タイプのペットフードが「無添加」ということは、無理があります。


原材料として天然由来の、自然なものを使用していますということは表示できますが、
製品全体を「新鮮、フレッシュ、生」、「自然食」と表示することは無理ですよね。
人間の食品だって、肉を熟成してから、店頭に並ぶのに(これを新鮮とはいいません、まして、輸入なら、ありえない!)、なんで、工場で加工されているドライフードになったお肉が新鮮なはずがないですよね!
アメリカでは、AAFCOの定義に合致するペットフードや原材料であれば、パッケージに「ナチュラル」と表示することができるそうです。


健康は食から!ですから、巷にいろんなペットフードがあふれかえっていますので、ぜひ、食品や日用品と同様に、誇大広告や不当表示に惑わされることなく、犬猫さんに適したペットフードを選ぶとき、慎重に、日ごろの商品選択能力を駆使して、選んであげてくださいね。



アルプスの山に避難したくらい、ムシムシしていますね