先日、ロンドン大学のブロックマン教授のセミナーにいってまいりました。もちろん、通訳つきの国内セミナーです。(会場は六本木ですが、外国のように、、遠い、、、)
そこで、タイトルは「胆泥症と胆嚢粘液嚢腫」です
胆泥症というのは、
胆嚢(胆汁を濃縮してためておく、ふくろで、肝臓にくっついています)の中にはいっている胆汁(脂肪の消化を助けるものです)がドロドロにつまってしまうことです。
これはどういうことかといいますと、
食事をすると、(もちろん、無意識に、)胆嚢から胆汁がぎゅっとでてきて、十二指腸の脂肪の消化を助けてくれるのです。
その胆嚢の中の内容物がドロドロになっている状態です。
とくに症状もないのです、エコー検査でたまたま見つかったりすることが多いです。
で、
このドロドロの胆汁が、まだ、さらっーーと動く状態ならとくに問題はないのですが(これが胆泥という状態)
そのドロドロの胆泥が、ガチガチに固まって、
動かなくなってしまうのが胆嚢粘液嚢腫です。
こうなると、
ガチガチにかたまって、胆嚢も炎症をおこし、胆汁もうまくでなくなり、
そして、
胆嚢が破裂して、胆汁がおなかにもれ、
急性胆汁性腹膜炎をおこし、、
オペが間に合わないと
急死する可能性がある、
とても、こわい病気なのです。
胆泥症が100%、胆嚢粘液嚢腫になるわけではないので、
しかも、症状がなくて元気なので
どういう治療をするか、
そして、
胆嚢粘液嚢腫も
みんなが具合が悪くなるわけでなく、症状がないので、
予防的に手術をするのか、
内科的に治療して(治るわけではなく、予防的に投薬)
これは、
ブルックマン先生も、悩ましいところだといっていましたが、、
胆嚢が破裂して腹膜炎をおこしていると、
出血もとまりにくい凝固異常もおこしていますし、
全身状態が悪く
手術に耐えられないので、
状態のよいときに手術するのがおすすめであると
いうご意見でした(外科医の意見として)