眼球が垂直(タテ)や、水平(ヨコ)や、くるくる回転して動く「眼球振とう」する症状があります。
原因は、さまざまですが、特発性の前庭疾患(老齢のワンコに多く、もっとも一般的)、末梢神経の第8脳神経の損傷、炎症性疾患、内耳の感染、代謝性疾患(甲状腺機能低下症など)、腫瘍、外傷、血管系の疾患です。
姿勢を維持したり、身体の変化に対する補正、眼球運動の制御などをつかさどるところを前庭系とよびます。前庭系には、中枢姓と、末梢性があり、脳幹の前庭核、小脳、第8脳神経、内耳をさします。これらの前庭系になんらかの病変や変化がおきると、眼振、平衡感覚が失われ、旋回、頭が傾く(罹患側に頭が傾く斜頸)、うまく歩けず横転したり、転倒します。混乱して興奮や不安で情緒不安定になることもあります。
①内耳の炎症や末梢神経
水平、または回転性に眼振を起こします。
平衡感覚がおかしくなったりして運動失調が
おこります。意識は正常です。
② 小脳
垂直性または回転性に眼振を起こします。
歩くとき歩幅がおかしくなるのが特徴です
(測定障害)
③ 脳幹
垂直性または回転性に眼振を起こします。
姿勢性の眼振(頭の位置の変化とともに
方向をかえる)がみられます。
斜頸
平衡感覚は正常な場合が多いです。
運動失調や不全麻痺がおきます。
ナックリングといって、固有感覚が欠損します。
意識も変化します。(昏睡など)
反射は亢進(上位ニューロンの損傷のため)
脳血栓、甲状腺機能低下、腫瘍、ジステンパー脳炎 などが原因として考えられます。甲状腺機能低下症になりますと、足がナックリング(うまく立てない)したり、前庭疾患になりやすいです。