ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

帝王切開

ブリーダーさんとか、自分の犬を繁殖する方以外はまったく関係のないハナシですが、、、

新潟の繁殖系診療科を掲げている動物病院の先生のセミナーを聞きました
新潟には、そんなに、一般の人が自分の犬を繁殖しているのかと、ちょっと、オドロキですが、、、

当たり前ですが、
帝王切開
費用と手術リスクと、予定外の時間になることがあるので、、
その先生いわく、「はじめての新患で、しかも、夜間緊急来院で、飼い主さんも神経質になっていて、さらにお金がないなんて、いわれてしまうと、正直困る、、」
当然ですよね
夜間はスタッフの確保がたいへんだし、もちろん、時間外料金を支払わないといけませんし(当然です)
オペだけでなく、新生児のケアも必要だから、手術する獣医師、助手、麻酔をみるスタッフ、周りのサポートチーム2名の最低5名が必要ですよね、、

犬は、安産だといわれていますが、帝王切開や難産になることもあるので、ご自分の犬の子を残したいということで、繁殖を希望される方もいらっしゃると思いますが、繁殖を甘くみてはいけませんよね。


交配するには
 メスとオスを一緒にすれば、簡単に交配して繁殖できるようにみえますが、
実際は、避妊していないメスとオスを一緒に飼っていても、
メスが、オスとの交尾を望まない(許さないみたいで)ケースを多々みます。(メスのほうが強いのでしょうーー)

1)メス犬の発情周期は
発情前期 8日間 卵胞期(卵が育つ)
やがて、排卵 発情期開始48-60時間後
  このときが交配適期
発情期10日(黄体形成)
やがて黄体が退行し、発情休止期2か月間

そして、無発情期5-8か月

2)妊娠期間
  犬58-64日
  猫65-69(平均67)

3)分娩前の病気  
  胎児が死亡(水膨れした水腫胎)
  膣脱(パグに多い)
  子宮破裂、子宮脱
  低カルシウム血症の発作(ちゃんとしたフード食べていれば、まれ)

4)難産
 陣痛がきて、2時間たってもはじまらないかったら、
 母犬の状態が悪化
 破水しても90分以上たってもはじまらない
 緑色の破水がでた
 などなど
  
ということがあったら、帝王切開に踏み切らないといけません

5)体温測定
 体温(直腸)は分娩予定前、せめて1週間前からは毎日はじめて、近づいてきたら1日2回
 分娩開始の10時間前に体温が一番下がります

今まで体温が日に日に下がってきて
そして最低点を迎えて
次に体温があがってきたら
分娩が近いということがわかります。(猫は興奮しやすいので、体温測定は無理かもしれません)

6)麻酔の問題
 麻酔薬や抗生剤が胎児に移行してしまうリスクがあります

7)なかなか生まれないなと思ったら
 まずは毛刈りをして
 点滴をはじめて
 酸素吸入して、
 静かな暖かい部屋におくと、、
 もしかしたら、自然分娩が始まり、無事に生まれることもあるそうです、、

8)胎児はひっぱってはいけません
 無理にひっぱると
 足がちぎれたり、頭がちぎれたり、おそろしいことがおきたりすることもあるそうです

9)臍帯処理するときは、ひっぱりすぎないように
 

火事で焼けた旧吉田茂邸(大磯)が復元されました
近代数寄屋建築の豪邸です。
犬が好きだったそうで、犬のお墓もありました。
温室もあり、本当のお金持ちの家ってこういう風なんだわって思いました。

最後を迎えた寝室

書斎からの眺め

ローズルーム(ダイニング)

応接間

(フラッシュ撮影禁止)