ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

慢性腎不全の猫のための新しい薬ラプロス

腎臓の悪い猫ちゃんのために新しい薬が、ついに、4月に発売されます。
動物用医薬品で、サプリではありません
人の腎臓病の薬の経口プロスタサイクリンPGI2誘導体製剤です。
人薬の薬効成分を猫ちゃん用に東レが小さくしたとのことです。
無色無臭の小さい錠剤です
味がついていないので、
そのまま食べるかどうかは、なんともいえませんが、
小さい錠剤なので、
缶詰に混ぜると、猫ちゃんがそのまま気にせずに食べてくれるかもしれません

サプリとちがって、医薬品なので、
きちんと、効能がうたわれています

・ 動物用医薬品ではじめて、腎機能低下の抑制が効能・効果で認められた治療薬です


血管内皮細胞保護作用
血管拡張作用
炎症性サイトカイン産生抑制作用
抗血小板作用

腎臓が悪くなると、食べなくなったり、吐いたり、よく水を飲むけれど水のような尿をして脱水したり
さらに
腎臓がどんどん、小さくなって線維化して
機能がうしなわれていく、、
そんな悪循環を抑えてくれるようです。

・食欲が増進し、QOLの改善が期待できます。
・10歳以上の猫の30-40%が慢性腎臓病になっているといわれています。5歳以上の猫の死因1位が腎臓病です。

この薬を飲むと食欲元気が改善するという治験データがあります。

腎臓の血流を改善することによって、
尿細管がどんどん壊れて腎臓の機能が低下することを防ぐだけでなく、
腸間膜動脈の血管を広げて血流をよくするからです。
すると
肝臓に栄養を供給する、門脈という大きな血管への循環がよくなり、
肝臓にもいい影響を与えます
肝臓が元気になると、
肝臓が腎臓が処理できなかった老廃物を処理してくれるので(胆汁に排泄してくれる)
気持ち悪さの原因となる老廃物が減るので、
食欲が改善するという
しくみだそうです

これは朗報です!!
1日2回薬を飲ませるのが難儀だと思われると思いますが、
薬の半減期が短いのでしかたがないです

朝晩の食後にあげてください
砕かずに錠剤のままあげてください