ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

腎不全のための新しい薬

腎臓が悪くなると、
特に猫ちゃんに多いのですが

薬を飲ませるのがたいへん

そして、
腎臓そのものをよくする薬ではなくて、
まわりから腎臓をサポートする薬しかありません。(薬ってそういうものが多いですよね)


腎臓が悪くなると、体に有害な尿素窒素を排泄できなくなってしまいます。
こうなると、気持ち悪い、体に毒素がたまる、
ということで、
食欲が落ち、吐き気が続き衰弱していきます。

この有害な尿素窒素を減らすためのサプリみたいなお薬です。

内容は

消化管内の毒素を減らすために
シンバイオテイクス(強力な乳酸菌みたいなもの)
ビタミンB6.12、葉酸(貧血の改善)
ビタミンC,バイオフラボノイド(抗酸化作用)

効果は

腎臓が悪くなると、インドキシル硫酸といって尿毒症のもとになる物質を尿から排泄することができなくなってしまいます。

そこで、このインドキシル硫酸を減らす効果があるということです。


シンバイオテイクスとは

 プレパイオテイクスとプレバイオテイクスの両方を含む製品のことです。

どんな働きをするのかといいますと、


食物中のタンパク質が分解され、消化管内で、大腸菌によって、
インドールにかわり、これが吸収されて、肝臓で尿素にかわります(だから、肝臓が悪くなると、逆に尿素窒素が低い値になります)

そして、この尿素が腎臓にいって、排泄されるというルートなのですが、

ここで、乳酸菌を摂取すると(腸まで届かないと意味がないのですが)

乳酸菌がインドールを産生する大腸菌を減らしてくれる

乳酸菌が、フルクトオリゴ糖を栄養素として利用し、尿素物(アンモニア尿素など)を取り込んでくれるので、
窒素物を減らしてくれる。

どうやって飲ませるのか
 無色無臭のパウダーなので、お食事に混ぜてあげることができます。

慢性じん不全の管理には、
血液中のリンのコントロールが大事だといわれていますので、
この消化管内で尿素窒素を減らしてくれる薬と、リンを吸着してくれるお薬を両方一緒に飲むと効果的だといわれています。


(真夜中のヒミツの遊び、、?)