ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬の認知症対策と環境整備

シニアになった犬が認知症になった
介護がたいへんです
夜中に泣き叫ぶ、、
夜眠れない、疲れた、、、

眠り薬をくださいとおっしゃる方が多いです

実のところ、眠り薬だけでは、対策が不十分なのです
もともと、犬はちょこちょこ眠るタイプですから、
人間のように、8時間爆睡してくれる、、、というのは難しく
また、そこまで眠るほどの薬用量を与えると
低体温、呼吸抑制、、
もしかしたら、朝起きたらなくなっていたなんてこともありえます。
シニアになると、睡眠深度が浅くなるのは、犬も人も同じ。

介護が必要になった犬の余命は、だいたい半年から最大2年くらいといわれています。
いままで、一緒に暮らしてきた楽しい思い出を、悲しい思い出にしないためにも、最後までお世話してほしいと思います。

でも、夜泣きで睡眠不足になると、どんなにかわいい子でも、耐えられませんよね、、、
しかも、すごく大きくて悲しい声ですから、、、


対策

①なぜ、泣くのかを考える

泣く理由を考えて、対策を講じる

たとえば、
排泄したい
おなかがすいた
不安だ
暗くて不安だ
寒い
暑い
動きたい
寝返りをうちたい
背中が痛い
苦しい
歩いてすべってしまった、おこしてほしい
などなど

そんな体調不良も夜泣きの原因になります。
シニアになると分離不安がひどくなります。そのため、
夜、真っ暗になると不安が募ってしまうことも原因のひとつです。

②介護日誌をつけて、泣くパターンをつかむ
 
排泄、食事、体位変換、歩行など

③ぐるぐる旋回して、狭いところにはいりこんで
泣くのであれば、

円形サークルにする(市販されています)

④すべって泣く
 すべらない床マットをしいてあげる。すべりにくい靴下をはかせる

⑤刺激を与える
 ボールで遊ぶ、歩行器をつかって散歩させる
 日にあてる
 昼間寝ないように、刺激を与える

⑥温度管理をしてあげる
 寒いと眠れません、、、

⑦痛みがあるよう
 痛み止めをあたえる

⑧排泄したくて泣く
 できるだけ、夜寝る前に排泄させる
 おむつをする

 おむつだと、排便で汚れるので しっぽの穴を広くしてレジ袋などの袋をつける

⑨良質なサプリメントを与える。

認知症の背景には、 脳の加齢があります。
脳の加齢を促進させる原因は
 酸化ストレス
 血管の老化
 脳への血流低下
 神経の炎症

そして脳の組織障害がおきて脳機能低下します。
ということで、、
脳組織低下の進行を防ぐために

 抗酸化物質や、DHAEPA オメガ3脂肪酸を含んだサプリメントを与えることも有効です
 眠り薬だけでは、対策は不十分なのです(完全には、きかない)

夜になると光る、蓄光