ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

熱中症対策でやっていはいけないこと。

暑いので熱中症一歩手前のような、具合が悪くなるわんちゃんが増えています。

熱中症になると、

体温が42度以上になります、、、

こうなると、

心臓、呼吸、消化器、脳、血液、すべての組織をつくる細胞が虚血して、酵素が不活化して、
細胞がこわれていきます。

そして

多臓器不全になって

死亡する、

こわーーーいものなのです。

けいれん発作をおこして、興奮状態になって
体が暑くて
呼吸が早くて

進むと

だんだん、
血圧が下がって、舌の色も真っ青になって
肛門が開いて、血下痢便がでて、、
意識も混濁して、、、
低血糖になって


緊急の集中治療が必要ですが、
治療が間に合わない可能性もあります。

ご注意ください。
熱中症になりやすいのは
ご存じのとおり、
いつも、ゼーゼーしている
短頭腫の、呼吸器が弱いワンコです
犬猫は体表の汗腺の発達が乏しいので、ハアハア口で息するパンテイングで蒸発して、体温調節をしています。

まずは冷やすのが一番なのですが、

氷水をぶっかけて、急速に冷やしすぎると
末梢血管を収縮させてしまい、熱放射効率が低下するのと
体が冷えすぎる弊害もありますので、
まずは、39.4度くらいをめざして、30分から1時間くらいかけて体温を下げていくのがいいのです。

おうちでできることは
水道水を体にかけて、扇風機で揮発させる
アイスパックをあてる
四肢のマッサージをして、末梢の血管拡張させ、熱放散率を上げる

推奨できないやり方は
氷水につける、、
冷水に浸したタオルで覆うと、冷水が温まり、断熱材となってしまう。
パットを冷やす (非効率的)
解熱剤を飲ませる(死ぬかも、、)


体温を下げすぎて低体温になると、体温調節能力が破たんしているので、元に戻りにくい。酸素消費量が増える、
皮膚の血流が低下すると、血栓ができやすくなる

ということで、
冷やしすぎにご注意ください