抗てんかん薬を飲むことになったら
てんかん発作が続くようになったら
毎日お薬を飲まないといけません。
人間は社会生活があるので、車の運転や仕事をするためには、発作が起きるとたいへん困るので、
てんかん発作があれば、すぐに飲むのですが
どうぶつの場合、例えば半年に一回程度とか年に1,2回程度で、すぐにおさまるような感じでしたら、脳波やMRI検査、血液検査で異常がなければ様子をみることにします。
でも、治療を早くはじめたほうが、
難治化しにくく、コントロールしやすいともいわれています。
、
1)抗てんかん薬を飲まないといけないケース
てんかん発作が重積したり、群発発作になるようだったら、
やっぱり、抗てんかん薬を飲んだほうがいいです。
①てんかん発作が重積する
−−1回の発作が5分以上続く
--発作がおきると、完全な回復なしに、立て続けに次の発作が重なって連続しておきる
②群発発作
24時間以内に2回以上の発作がおきる
③3か月に2回以上の発作頻度がある。
6か月に2回以上でもはじめたほうがいいという意見もあります。
④発作のあとの症状が長い
重篤(失明する)
⑤症候性てんかん(つまり、脳に問題がある)であることが明らかな場合
脳炎や腫瘍があると、発作で脳圧があがるので、脳炎が広がる可能性があります。
2)てんかんの治療
・避妊去勢をすることによって、回数が減る可能性があります。
・生活環境の改善
反射性てんかん発作、例えば、チャイムがなると、発作を起こすとか、そういうケースの場合はチャイムがならないようにするとか、音をかえるとかの工夫が必要です
・抗てんかん薬療法
日本で開発された、副作用の少ない抗てんかん薬ゾニサミドという薬があります。
この薬のおかげで、欧米よりもてんかん発作のどうぶつの平均寿命が、日本のほうが長いといわれています。
・てんかん外科
一般的ではありません
・食事(ケトン食)療法
イヌでは効果なしといわれています。
4)抗てんかん薬の目標
てんかん発作をゼロに近づけることが目標ですが、必ずしもそうならないことがあります。
発作が続くと脳の神経がこわれていきますので、頻度や重責、群発発作を減らすことに意義があります。はじめの目標は発作頻度を50%以下に減らし、3か月に1回程度の頻度にコントロールすることです。
5)薬をやめると、、
離脱発作がおきる可能性があります
また、神経伝達の抑制系に働いて、興奮をおさえて、発作の閾値をあげて、興奮しにくくするというのが、抗てんかん薬のメカニズムです。ですので、薬を飲んだり飲まなかったりすることが、発作を誘発するかもしれません。