ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

尿検査とタンパク尿

尿検査でたんぱくがでていたら、、

血液検査でBUNが高いですね、、、っていわれてたら、

まずは、
腎臓が悪いかどうかを検査したほうがいいですね。

尿のステイック検査は簡易検査なので、


尿を検査センターにだして、
UPC(尿中タンパク/クレアチニン比)をいうのを検査したほうがいいです。
これは、尿の中に排泄されているタンパク量をみるもので、尿比重に影響されないのです(尿の比重は採取したときの状態で変わるから)。

結果は、


これで、猫ちゃんの場合
UPCが0.4-1.0 BUN正常だったら、
注意深いモニタリング

UPCが1.0以上でBUNは正常
原因検査、治療開始

UPCが0.2-0.4 BUN高い
注意深いモニタリング

UPC0.4以上 BUN高い
治療開始

といわれています。

このUPCが高くて、尿にタンパクがでているということは、原因は

・アルブミンが喪失している(血液検査で低アルブミン血症)
・感染をおこしている
・腹水がたまっている
・出血している
・腎臓の組織が破壊されて、腎機能が低下している

タンパク尿がでてくると、腎臓がかなり破壊されていることになるので、腎臓の病気の進行が早く、残りの寿命が短いことが、想定されます。

では、
尿にタンパクがでている腎臓病の治療は

・腎臓病用の療法食
  タンパク含有量の制限
  リンの制限

・レニン・アンジオテンシン系抑制剤(猫ちゃんに新しい薬のRAS抑制薬)
  UPC低下、降圧作用

・原因療法には、腎臓の生検が必要で、全身麻酔で開腹検査になるので、一般的ではありません。

ここで、尿にたんぱくがでているのに、なんで、タンパク制限するの?って思われた方、

理由は、高たんぱく食は、腎臓の糸球体の内圧をあげて、糸球体濾過率をあげるけれど、UPCも上昇するからです。尿細管にタンパクがでると、サイトカインが活性化され、腎臓の間質にさらに炎症がおきるといわれています。

今日はハロウインですね。ま、関係ないですけれどね