疥癬
人にも動物にもうつってしまう、皮膚病の疥癬という病気があります。
タヌキなどの野生動物がもっています。
目ではみえない、小さなダニ(イヌセンコウヒゼンダニ、ネコショウセンコウヒゼンダニ)です。
顕微鏡で探すのですが、皮膚の奥にはいりこむので、
なかなか発見しにくいです(特に犬の場合)
人にもうつるのですが、
1)犬の場合の症状は
おなかや胸、前足後ろ足の腹側側を痒がります。
で、どんどん進行して、全身へと拡大し、非常に痒がります。
耳介辺縁部、ひじ、ひざ、腹部を痒がる
ステロイドがきかない
全身に広がる、
強いかゆみ
余談ですが、疥癬のワンコさんたちをみたときに、同居している犬はみな、痒がっているのに、飼い主さんは痒くないといっていたケースがありました。室内で一緒に同居しているのに!!
動物にノミがいても、飼い主さんは痒くないという事例によくあいます。
本の通りにはいかないのだなといつも思います。
2)どこから感染するの?
ヒゼンダニとの直接接触です。
きたばかりの子犬なら、購入先での感染が疑われます
3)痒くない犬と痒い犬の違いは?
ダニの糞便中に含まれる、腸管タンパク質に対するアレルギー反応(IGE介在)によって引き起こされる可能性が高いので、
免疫が十分でない子犬やシニア犬、免疫抑制作用の治療をうけていると、かゆみの程度が低くなり、症状がでにくくなります。でも、ダニをもっているので、無症状キャリアになりますね。(感染源になるということです)
4)治療
イベルメクチンの週一回の注射
アミトラズ(殺ダニ)噴霧
セラメクチンの投与
(アミトラズいりのフロントラインシリーズ゙のサーチファクトもあります)
抗生剤の投与
アミトラズ(ダニカット)でシャンプーする方法もありますが、チワワへの使用は禁忌です。
人間の疥癬は、
ヒトヒゼンダニというもので、感染後1か月の潜伏期間を経て発症、夜にかゆみがひどくなるそうです。
人から人へうつるそうです。(手、指、指の間、手関節)
で、動物疥癬の場合は、人から人へとうつらないので、ヒトには一時的に寄生するのみです。人の疥癬と違って、手指よりは、胸腹部や腕に小さな赤い丘疹が散発します。