酸塩基平衡−−アシドーシス
化学の授業のような言葉ですが、
生きていくためには、体の中では様々な生化学反応があります。この生化学反応が滞りなくできるように、体液の水素イオン濃度はきわめて狭い範囲で維持されているのです。
この酸・塩基バランスの調節機能が崩れると、体液のPHがバランスを崩して、アルカリや酸性に傾きます。こうなると、からだの中で生化学反応が正常の行われなくなり、さまざまな細胞や組織、臓器に悪い影響を与えます
体が酸性に傾く原因は、、
1)糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病の末期になると、糖尿病性ケトアシドーシスという病態になって命にかかわります。
これは、糖尿になると、糖が利用できないので、体の脂肪
分解やタンパク異化が促進され(だから、糖尿になると食べてもやせていく)血液中の脂肪酸、グリセリン、アミノ酸の供給が増加して、肝臓がこれらを材料としてグルコースやケトン体(アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸、アセトン)が合成されます。で、糖尿病がすすむと、
このケトン体が体に中にたくさんたまってしまい、ケトン体は強い酸ですので、体液がアシドーシス(酸性)になってしまうのです。
体液のPHが本来の範囲から逸脱すると、体の生命維持に必要な生化学反応がきちんとできなくなるので、
生命の危機なのです。
2)ファンコーニ症候群によるアシドーシス
腎臓の中の尿細管の機能不全がおき、アルカリの炭酸水素を失い、再吸収できないため
3)エチリングリコール中毒
4)腎不全の末期の尿毒症
5)副腎皮質機能低下症(アジソン)
などです
体の中の体液のPHって大事なんです。
人間もお肉ばかり食べると体が酸性になって、よくない、ちゃんと、一緒に野菜もたべましょうっていますね
動物も
これらの病気は食事が原因というわけではないですが、
バランスのとれた食事が健康の維持にいいということは、同じですね。
で、この酸塩基平衡をどうやって調べるのかといいますと、通常の血液検査は、お手ての表面にある、静脈から採血するのですが、この場合は、動脈血を調べます。
動脈はからだにとって、大事なところなので、
静脈と違って、体の奥のほうを流れるところです。
ですので、動脈の採血は、足背動脈や大腿動脈からとりますが、奥深いところなので、出血と神経損傷のリスクがあるといわれています。
しかも、酸塩基平衡を調べる機械は高価ですので、大きな病院でないと常備していません。検査センターにだせばいいのかと思いきや、時間がたつと、血球の代謝がすすむので、正確な検査になりません。