ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

白血球が高いっていわれたら、、

フィラリア検査などのときに、当院ではCBCといって
簡単な血液検査を行っております。

その中で
白血球が高い、、という結果がでることがあります。
この原因は、

白血球にもいろいろありまして、

一番多いのは、
好中球といって
細菌感染やらで、体が細菌と戦うためにつくるものです。
ですので、一番多い好中球が増えると、白血球が増えていますねーという結果になることが多いです。

では、なぜ、増えるのか
増えるとなにがいけないのか、


まず、この好中球は、骨髄でつくられます。そして、どんどん、進化していき、成熟した形になって、骨髄から血管内へ放出されます。一部は骨髄で貯蔵されます。
で、血管内にでてきた、好中球は
 血管の中心部を流れる循環プール
 血管内皮に接着してゆっくりと流れ、やがて、組織へ働きに行く辺縁プール
に分かれます。
だいたい、半々の割合です。
採血では、全身の中での大血管を用いるため、循環プールにいる好中球の数を数えています。


増える原因
①副腎皮質ステロイドの長期連用や副腎皮質機能亢進症
(好中球の分布移動。ストレス・ステロイドパターン)

 骨髄でつくる好中球は増えませんが、辺縁プールから循環プールへの移動が増えるので、血液検査では数が多くなります。その結果、血管から組織への遊走が減少します。

ということは、

つまり、好中球を防衛軍に例えると
みんな、意心地のいい作戦本部にとどまっていて、前線にいく兵士がすくなくて、仕事をさぼっているという状態です。
だから、ステロイド長期連用やクッシング症候群になると、感染症にかかりやすくなったりします。


②体が自己防衛のために好中球を増やしている
(反応性好中球増加症)

細菌などの感染症
自己免疫疾患などによる非感染性炎症
組織の損傷や破壊(やけど、腫瘍など)

 つまり、細菌や腫瘍などの侵略者にたいして、祖国防衛?のために、体がたくさんの兵士を動員しているという状態です。
 骨髄から血管への好中球の放出が増え、血管から組織への遊走も亢進します。(となると、減ってしまうようにみえますが、組織にいく好中球よりも、骨髄からの放出のほうが数多いので、循環プールでの好中球が増加します。

CRPが上昇する。

③腫瘍性好中球増加症
 骨髄で好中球が腫瘍性に増殖する病気です。
 慢性好中球性白血病
 慢性骨髄性白血病

 CRPは上昇しない(②との鑑別になります)

シニアになったら、1年1回くらい(犬の年齢でいうと、4年ないしは5年に一度の計算になります)血液検査で健康チェックしましょう。


(なんか、最近、ふけたような、、、)