重症筋無力症とは、、
重症筋無力症とは、、
先天性の遺伝子異常あるいは、後天性(年を取ってから)
の自己免疫異常が原因です。
体の中の神経伝達物質のアセチルコリンの受容体の抗アセチルコリンレセプターに抗体ができてしまって、神経筋接合部の信号が十分伝わらなくなってしまいます。
このため、筋肉が収縮できなくなり、
嚥下困難(水をのめない、うまく飲み込めない)
起立不能[立てなくなる)
呼吸困難
などになる機能的疾患です。
臨床症状は、
1)全身型
歩幅が小さくなる
長時間立っていられないが、休むと回復する
2)局所型
角膜反射が減退する
食べてからすぐに吐くことが多い
巨大食道(レントゲンで確認)
後ろ足の筋肉がおちてきて、疲れやすい
声がかすれる
嚥下困難
3)劇症型
急性発症時の起立不能、呼吸困難
先天性は、6-9週齢の子犬で発症します。
好発品種
イングリッシュ・スプリンガー
ジャックラッセルテリア
一過性筋無力症は、ミニチュア・ダックスに発症、成熟に伴い改善する可能性あり
後天性
8歳以上のラブ、ゴールデン、シェパード
診断
レントゲン検査
血液中の抗アセチルコリンレセプター
テンシロン投与反応試験
治療
コリンエステラーゼ阻害薬の内服
胸腺腫が原因の場合は、外科的手術[開胸手術)
免疫療法
ステロイド
対処療法
巨大食道症には、胃瘻チューブ
立って飲水、食事させる
誤嚥性肺炎に注意
予後
自然治癒の可能性もあります。(数か月から数年)
胸腺腫の場合は、外科的に切除しますと、すぐに改善します。