ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

マラセチア皮膚炎

暑くなる季節に増えるのが、マラセチア皮膚炎です。猫ちゃんではまれです。主に犬さんにみられます。
とにかく痒がります。

原因
 Malassezia pachidermatis
 環境中には存在せず、ヒトや動物の皮膚に常在する担子菌糸の酵母
 増殖に脂質を要求するので、皮脂の多い部位に皮膚炎をおこします。

症状
 マラセチア酵母が産生する酵素に対して、アレルギー炎症反応がおきます。
皮脂の多い部位、首の下、おなかの横、脇の下、おまたのところ、手の指の間、陰部周囲、耳たぶを痒がって赤くなります。
慢性的になりますと、脱毛、皮膚が分厚くなり、盛り上がったり(苔癬化)、皮膚が黒くなったり(色素沈着)します。

治療
・ 脂漏の除去のための、薬用シャンプー療法
(ひとくちで「薬用」といっても、種類はたくさんあります。二硫化セレン、過酸化ベンゾイル)

・抗真菌剤の投与
肝臓に負担をかけますので、ネットなどで個人輸入品を購入して独自に飲ませているかたがいますが、それは考えものではないかと思います。
個人輸入ですと、輸送経路に問題がある場合があります。必ずしも国内の正規品と同等の効果があるかは、疑問です。
先日、中国で偽狂犬病ワクチンがでまわったという報道がありました。海外からの個人輸入がすべてあやしいというわけではないですが、品質保証はどうかなって思いますね。)