ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

シニア食

シニアのワンニャンの栄養について

①蛋白
臨床症状がないシニアのワンニャンのタンパクの必要最少量は、中年期のワンニャンと同様といわれています。ただ、過度に蛋白をとりすぎますと、慢性腎不全などの病気の進行を早める可能性があります。
ただ、慢性腎不全の蛋白要求量は、むしろ、正常な中年期のワンニャンの要求量の2倍にも増加しています。不必要に蛋白を過剰供給せず、かつ、減らしすぎないことが大事です。
つまり、シニアになったら、消化のよく、必須アミノ酸が高濃度に含まれているフードがよいということです。


②脂質
必須脂肪酸は、細胞膜の構造をつくるもので、皮ふや被毛に大事です。過剰にとると肥満になりますが、必要量は若齢の仔たちと同様です。
肝臓、膵臓甲状腺機能低下症、高脂血症の場合は脂質を調節したほうがよいです。

③炭水化物
食事が十分な量のアミノ酸と脂肪を含んでいれば、炭水化物は特に必要ではありません。食物繊維に含まれる炭水化物は、胃腸のためにはよいといわれています。ですが、食物繊維は脂肪、炭水化物、蛋白の生体内利用率を低下させるともいわれ、消化吸収のよくない子には過度の線維は避けたほうがいいです。

④ビタミン
水溶性ビタミン(ビタミンB群)は、慢性腎不全などおしっこが異常に多かったり、糖尿病の場合は体から排出されやすいです。肝臓機能が低下した時はビタミンBとビタミンEをきちんと食事に含まれたほうがよいでしょう。

⑤ミネラル
リン
 慢性腎不全でリンが高い場合は、制限したほうがいいでしょう。

ナトリウム
 心臓、慢性腎不全の場合は制限したほうがよいでしょう。

カリウム
 細胞内の電解質としてたいへん重要です。少なくなりますと、食欲減退の原因になります。

亜鉛
 シニアになると、亜鉛の消化吸収が悪くなるといわれています。
亜鉛を供給することにより、食欲の改善や、免疫力を高めるといわれています。

カルシウム
 高濃度のカルシウムは、銅、亜鉛、リンのような他のミネラルの生体内利用率を低下させます。
消化吸収の悪い胃腸障害のある子は、特にカルシウムを与えすぎないようにしたようがよいでしょう。あげすぎますと、腎臓や胃の石灰沈着をおこします。



やっぱり、「健康は食から」、、です。
ワンニャンの栄養学に基づいたフードをつくっている(研究所をもち、生涯給与試験を行い、データを蓄積している)フードメーカーが、つくったフードをあたえることをおすすめします。
ちまたやネットでいろいろなフードがでまわっていますが、メーカーのバックグランドもチェックしたほうがよいのではないでしょうか。
私見ですが、「その子にあったフード」を個別につくりますっていうフードメーカーがありますが、いったいそのメーカーは、その子の栄養状態、健康状態をどれほど正確に把握し、どのような栄養学に基づいて製品をつくっているのか、疑問です。会ったこともない人から、うちのワンコニャンコの体質や健康状態、病気にあった食事を個別につくりますっていうのも、なんだか????