難産
自分のワンコさんの子供がほしいということで、産ませるかたもなかにはいらっしゃいますが、ここで、難産になりやすい犬種をご紹介します。
昔は犬は、安産の象徴のようでしたが(気が付いたら、庭先で犬が子犬を産んでいたようなパターンが多かった)、それは中型の雑種のワンコさんの場合にあてはまるもので、血統書づきのワンコさんですと、必ずしもそうはいかないと思います。
難産になりやすい犬種
小型犬種
短頭種
大きな頭と幅広い肩をもつ犬種
骨盤腔が狭い犬種
つまり、チワワ、ブルドック、狆、シーズー、ペキニーズなどがあげられます。
また、肥満、痩せすぎ、運動不足、高齢犬も陣痛微弱が生じやすいため、難産になりやすい傾向があります。犬の難産の発生率は、難産の起こりやすい犬種を除いては、全分娩数の3%強であるといわれています。
猫も安産といわれていますが、チンチラ、ペルシャ、ヒマラヤンなどの洋猫さん、運動不足、肥満、高齢猫さんも難産になりやすいです。
難産を疑うケース
・24時間以上前から体温が37℃以下に低下しているのに分娩が始まらない。
・強い陣痛が持続しているのに、胎児がでてこない。
・第一子が出てくる前に膣から緑黒色の排出物がでてきて、数時間しても胎児がでてこない。(犬)(胎盤の剥離が疑われるから)
・胎児の一部がでてきているのに、それ以上進まず、ひっぱりだせない。
・陣痛が弱い、あるいは胎児がでたあとに陣痛が数時間停止している。
・母犬、猫が元気がなくなり、しきりに排尿姿勢をとる(子宮捻転、子宮破裂が疑われる)
・破水が起こっても数時間しても胎児がでてこない。
難産の原因
・胎児の大きさに比較して産道が狭い
・胎児の位置がおかしい
・胎盤剥離(早急にとりださないと胎児は死亡します。)
・原発性子宮無力症、陣痛微弱
・低カルシウム血症で陣痛が起らない
・子宮破裂、子宮捻転(早急の帝王切開が必要)
治療
・帝王切開
・膣内に手をいれ、背側部をなでるように刺激すると、胎児が産道を通るときにおこるファーガーソン反射によりオキシトシン(陣痛をおこすホルモン)分泌がおこり子宮が収縮し、陣痛が促進されます。
・陣痛微弱である場合は、オキシトシンを注射します。(胎児が大きい場合にはききません。また、子宮破裂に注意)
というように、難産の場合は、オオゴトになります。しかも、お産は昼間とは限らず夜中、明け方になる可能性もあります。生まれた子犬をどう育てるか、なかなかたいへんなことが多いです。
(ゴールデンなどの大型犬ですと、7頭-10頭うみます)
あと、産みっぱなしかあさん犬もいますので、子犬のミルクやりなどの世話もしないといけない場合もあります。