ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬についたマダニを手でつぶして失明!!NHKニュースから

2014年8月27日放送NHK総合)で衝撃の事件が報道されました。

なんと、


犬についた、マダニを手でつぶした男性が、SFTSウイルスに感染して、失明したという、、
恐ろしい悲劇が起きたそうです。


報道内容の概略は次の通りです。


以下は、 獣医師のための情報コンシェルジェというサイトからの抜粋です。



山での餌不足の影響か、野生動物が市街地付近で発見されることが多くなってきています。
それらの野生動物がSFTSウイルスを持っているマダニを市街地に持ち込み、そのマダニが犬などのペットに寄生している可能性があります。

愛媛県に住む62歳の男性が今年6月に倦怠感を訴えて入院。38℃の高熱がなかなか下がらず、食事もできなかったため5週間で体重が10kg減少しました。左眼にウイルスが原因と思われる炎症がおき、緊急手術にも関わらず失明しました。その男性は、入院する1週間前に飼い犬に付いたマダニを複数匹、手で潰したと話しました。男性が受診した松山赤十字病院の血液検査によってSFTS重症熱性血小板減少症候群)ウイルスが原因であると確認されました。

2013年1月、山口大学共同獣医学部前田健教授がSFTSを日本で初めて確認しています。今回、前田健教授が男性宅の犬から16匹のマダニを採取し、そのうち6匹からSFTSウイルスを分離しました。また、愛媛県の犬33頭を検査したところ3頭からSFTSウイルスが確認されました。

厚生労働省の調査によると、現在までに主に西日本で95人が感染し、31人が死亡しています。

ペットに付いているマダニが全てSFTSウイルスに感染しているわけではありません。昨年、国が行った調査によると、マダニの同ウイルスの保有率は5〜15%でした。なお、現地の動物病院では、犬にマダニ駆除薬を投与することを奨めています。



(株)ブイエムスリーでは、マダニおよびマダニ媒介性疾患の研究者でもあるメリアル・ジャパン(株)学術グループの市川康明博士に本件について取材したところ、「犬や猫にマダニが付着していた場合は、絶対に手で潰したりせず、動物病院にて獣医師の診察および処置を受けることが重要である。」との回答を受けました。

これから、秋の行楽シーズンで、ペットと一緒に野山に入ることも多くなると予想されます。
その際、飼い主さん自身は、長袖・長ズボンを着用し、首にもタオルを巻くなど、肌の露出を少なくすることが重要です。
また、NHKの報道および市川博士の回答にあるように、「犬や猫にマダニが付着していた場合は、絶対に手で潰したりせず」に、動物病院を受診することが重要です。
秋でも油断せずに、適切なマダニ駆除薬をペットに投与していれば、野山でマダニが付着したとしても、薬剤でノックダウンされて、ヒトに対しての感染機会を著しく減らすことが可能です。

今回、ペットの犬からSFTSが飼い主に感染したことは非常にセンセーショナルで、ペットの飼育そのものを恐れる飼い主さんがいらっしゃるかもしれません。
ですが、SFTSはマダニによって媒介されるので、マダニの駆除が適切に施されていれば恐れることはありませんし、ペットを飼っていることが、SFTSの感染につながるものではありません。

マダニがついていたら、けっして、手でつぶして、とってはいけません。
マダニの頭が残ると、犬にもマダニのもっている病気が体の中にはいってしまう危険があります。また、皮膚炎の原因になります

マダニをみたら、
30分で駆除してくれる、飲ませるおやつみたいなお薬をのませしょうー

そして、秋はマダニの繁殖期ですから、マダニ予防を引き続きやってあげましょう、、
野山の遊びにいくワンコさんは、特に注意が必要です

マダニで失明なんて、こんなことはゼッタイにいやですよね、、、