ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

咬傷事故を甘く見てはいけません

最近、山菜をとりに山に入って、クマに襲われて死亡するケースが報道されていますよね。
映画レヴェ゙ナントで、デイカブリオがクマに襲われるシーンがありますが、あんなすさまじい攻撃をうけたら、、、

先日、TVで放送されていましたが、
クマがいるのがわかっていても、高値で売れるタケノコ(ネマガリダケ)をとりに山にはいるそうです。ツキノワグマも好んでたべるタケノコを人とクマが争っているそうです、、、
(私的な意見ですが、エサが少なくて困っている飢えたクマのために、クマの食べ物を残してあげてほしいと思ってしまいます。人間はほかにたべるものがあるわけだし、、、)

ということで、

犬同士の咬傷事故も、
最悪は死亡することもあります。

傷が浅そうにみえても、
実は穿通創になっていて、体の奥深くまでダメージをうけている可能性があります。

本によると
犬の咬傷では、450psiの外力が生じ、組織は直接ならびに付随する損傷を受けるそうです。
攻撃した犬の犬歯が皮膚を穿孔し、その犬が頭をふったときには、弾力のある皮膚は歯と一緒に動くため、皮膚には小さな貫通した穴だけができる。しかに、皮下では可動性の少ない組織が歯によって、広範囲に剪断されるため、皮膚は筋肉から引きはがされ、軟部組織や神経血管構造も引き裂かれ、そこに死腔ができて細菌や異物が侵入する。


つまり、表面は小さな穴だけにみえても、
奥深いところで、組織が破壊され、
バイキンがはいりこんでしまうということです。
これは、銃弾と同じで、皮膚の穴は小さくても、銃弾が直接接触しなくても、その圧力波で、骨や肺を傷つけてしまうということと、同じようなことなんですね。


おそろしい咬傷事故だと、皮膚の下で強いダメージをうけ、全身性炎症反応症候群(SIRS)や敗血症を招き、受傷後数日で突然悪化したりすることもあります。

昔、同居の犬6頭におそわれた犬(Mダックス)が来院したことがありました。
複数のかみ傷があり、犬はぐったりしていました。
出血はなく、低体温になり、血液検査とレントゲンでは内臓の損傷はなかったようですが、入院して点滴と抗生剤の治療をしましたが、その日に亡くなりました。
外傷性ショック死と敗血症かなと思いました(解剖はしていませんが)助けてあげられなかったのが、残念です。


何を言いたいのかといいますと
ドックランで
小型犬を大型犬エリアに離す危険性
ノーリードの犬の危険性に
十分、ご注意ください