ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

豚の生肉には注意!食品媒介寄生虫のお話

食品媒介寄生虫というのがあります。1999年の1年間に、110例の寄生虫感染があったという宮崎大学の報告があります。
その内訳は、
豚回虫が20例、
犬回虫2例、
条虫(8)、ジアルジア(1)、吸虫(35)、線虫(41)など

一番多い肺吸虫は、淡水産カニから感染します。
線虫、横川吸虫は、生鮮魚貝から感染します。

戦中・戦後の混乱期には、豚回虫がたいへんはやって、結核とともに国民病といわれた時代もあります。人に感染した場合、人体内での幼虫移行症がおこり、肺炎や肝臓が悪くなります(好酸球性の肺炎、肝臓の結節)。なかには、目に幼虫が移行する眼幼虫移行症があります。
生の豚肉を食べますと、筋肉に潜んでいた幼虫を食べることになり、感染します。
豚の糞便を肥料にした野菜でも感染しますが、いまはこういうことはないですよね。ですが、2005年に韓国の輸入野菜を使ったキムチで寄生虫卵がみつかった事例もあります。
有機栽培の野菜類に犬回虫、猫回虫などの寄生虫卵が混入する可能性も否定できません。


結論
 生の鶏肉、豚糞による有機栽培の野菜、熊やシカの生肉、生の牛レバ、馬肉の生食、生鮮魚介類、淡水のカニから、寄生虫に感染する危険性がありますので、ご注意!!
ペットにあげるときは、加熱してください。