ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

大型犬の椎間板ヘルニア

大型犬の椎間板ヘルニアは、前回お話しました、ダックスさんの椎間板ヘルニアとは、違います。
ダックスさんの場合、突然発症しますが、大型犬の場合は、ハンセンⅡ型なので、ゆっくりと、病気が進行します。椎間板の変性は、徐々に進行して、8−10歳の老齢になって、発症します。シェパードに多いです。
ハンセンⅡ型は、椎間板の中の繊維輪という外枠のものが、外に突出して、繊維輪と中の髄核が、脊柱管内に侵入してしまうものです。
椎間板は、中にゲル状の髄核があって、外周を繊維輪というコラーゲンのものがあります。脊髄の安定化をするのと、骨と骨をつなぐ役割をしています。

大型犬の椎間板ヘルニアは、ゆっくりと発症しますので、神経学的障害は少ないといわれています。
人と同じで、運動すると腰が痛くなり、安静にしますと回復します。歩くには、脊髄の10%の伝導路が残っていれば、大丈夫なので、脊髄圧迫があっても、歩くことができます。
大型犬の場合、体が運動に反応していき、靭帯が肥厚し、この肥厚した靭帯によって、脊髄が圧迫される、脊椎狭窄が起きます。

老齢の大型犬が、散歩を嫌がる、長時間歩きたがらなくなりましたら、この病気の可能性があります。
安静にして、無理をしないように、自転車でひくような散歩は控えたほうがよいでしょう。バイクで坂道をシェパードをひっぱって散歩させている方がいましたが、腰に負担がかかるので、シニアになったら、やめましょうね。