ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

手作りご飯と栄養

アンデイくんたちに、手作りご飯をあげたいと思いつつ、カロリーや成分の計算が面倒なので、総合栄養食のドックフードをあげています。アメリカ映画によくでてくる、朝食の定番風景のシリアルをみると、ドックフードの人間用のフードにみえてしかたがないです。シリアルなら、栄養も計算され、面倒なカロリー計算をせずに、決められた量を食べれば、きっとダイエットにはいいんだろうなって思いつつ、、朝食はパンとハムが定番になってしまっています。(朝はデトックスだから、生ジュースだけにして、カロリーをセーブしたほうがいいという説もあるようで、、、)

ところで、ワンコさんに必要な栄養素は?というご質問が多いので、ペットフード協会の基準値をご紹介します。(栄養基準の最小値 乾物料%)
たんぱく質 18%
粗脂肪    5%
カルシウム  0.6%
リノール酸  1%
リン     0.5%
カリウム   0.6%
ナトリウム  0.06%
ビタミンD  500IU/kg
ビタミンB1 1.0㎎/kg
ビタミンB6 1.0㎎/kg
 (ビタミンCは、ワンコたちは、体の中でつくる能力があるので、あえて添加しなくてもよいです)

で、例えば、手作りフードの定番のササミと白米とキャベツを中心に作った場合、
ササミ200g、ご飯100g、キャベツ20gをして、計算しますと、(ヒルズ社)

たんぱく質 53.33%
粗脂肪    2.085%
カルシウム  0.27%
リノール酸  0.02%
リン     0.52%
カリウム   0.99%
ナトリウム  0.07%
ビタミンD  0
ビタミンB1 0.23
ビタミンB6 1.36

総合栄養食の分析基準と比較しますと、たんぱく質は十分ありますが、脂肪とミネラル(特にカルシウム)、ビタミンD、B1が不足しています。そして、犬にとって必須脂肪酸であるリノール酸の充足率が27%になり、脂溶性ビタミンは、ほぼ摂取することができません。また、犬では、カルシウム:リンの比率が、1:1から2:1であることが定められています。ですので、成長期の犬では、カルシウムとリンの比率が悪い食事を続けますと、骨格障害が発生する可能性を高めます。
高タンパク、低脂肪(人間はそのほうがいいみたいですが)、ビタミン、カルシウム不足の動物性蛋白を中心とした食事を続けることは、健康を害する可能性もありますので、手作りフード派は、栄養バランスを注意してあげてください。総合栄養食に手作りフードをプラスして、なおかつ、カロリー計算と成分分析もするといいのでしょうが、、、