ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬猫さんの破傷風

破傷風は、空気があるところでは死滅する細菌(偏性嫌気性菌)で、土壌細菌です(家畜伝染病予防法で届出伝染病に指定されています)。
一番、破傷風にかかりやすいのは、馬です。次は、モルモット、人、マウス、ウザギです。犬猫さんは(特にネコは)感染しにくいといわれています。犬は、靴をはかないで、野山をはしりまわるので、家猫さんよりはリスクがあるでしょう。肉球に傷がついていると、そこから破傷風菌が侵入する可能性があります。末梢神経から中枢神経に細菌の毒素がのぼっていきます。潜伏期間は3日〜3週間で、発熱、のみこめない(嚥下障害)、顔面筋の収縮(顔がひきつる)、よだれ(流涎)、耳が後方にけん引、瞬膜突出、木馬用歩様、などなどの症状をおこし、呼吸できなくなって、死亡します。治療は、傷口の開放と消毒、オキシドールの塗布、ペニシリン注射です。細菌そのものではなく、細菌の毒素がからだにまわっていくために症状がでますので、すでに発症している場合は、抗生物質はあまり効果がないようです。発症した場合は、破傷風免疫グロブリンなどを用います。
犬猫さん用のワクチンはありません。(馬はワクチンをうちます)
予防は、犬さんに靴をはかせるのは難しいので、
お散歩の前後にパットをみて、けがをしていないかをチェックして、オキシドールで消毒するくらいでしょうか、、、パットを傷つけやすいようなところにはお散歩しない、野山をかけまわるときは、注意しましょうというところです。。。
破傷風は、土壌の中の細菌ですので、感染動物から水平感染しません。