ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

尿失禁

おもらしの原因はいろいろです。
若い犬の場合、先天性の奇形が原因であることが多いです(異所性尿管、尿道憩室、膀胱形成不全、先天性の括約筋機能不全など)
成犬の場合の原因は、膀胱腫瘍、膀胱炎、前立腺、後天性の神経学的障害、多飲多尿でおしっこが異常に多くなる病気などです。また、避妊手術したあとの後天性の括約筋機能不全もあります(ホルモン療法で改善します)エストロゲンホルモンは、尿道筋に直接作用して、交感神経刺激に対する尿道筋の感受性を高めるといわれており、避妊手術によって、エストロゲンホルモンがでなくなるからです。(高齢の女性が閉経したあと、尿失禁しやすくなるのと同じかもしれません)

産婦人科のHPから引用しています。女性の尿失禁のことについて解説しています。

自分の意志に反して尿漏れをきたす場合を尿失禁といいますが、男性比べて女性では尿失禁の頻度は高く、40歳以上の健康婦人の約41%が尿失禁で悩んでいるという報告(長井ら、1992)もあります。(略)さらに、エストロゲンが低下してくると、1)尿道粘膜や粘膜下組織が萎縮・硬化し、2)尿道内圧を保つのに役立っている血管床(尿道を取り囲んでいる血管網)が減少し、3)交感神経受容体(αアドレナリンレセプター)が減少することにより尿漏れに拍車がかかることになります。


脊椎損傷や、あるいは尿道に結石や腫瘍などで、慢性的な尿閉(おしっこがでなくなる)により、膀胱におしっこがたまりすぎて、オーバーフローというような、(膀胱内圧が高くなって、尿道の抵抗性を上回る)おしっこを垂れ流してしまうということがあります。
これらの原因を知るためには、膀胱造影検査などが必要になります。

このほか、年をとったワンちゃんが、おしっこをもらすとか、トイレの場所を間違えるなどの御相談もあります。これは、老齢によって膀胱に尿を貯蓄しておく筋肉が虚弱になるためにおこるといわれています。

あとは、精神的な問題(うれション、降伏のしるしのおしっこ)も尿失禁にみえてしまうかもしれません。