ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

胃拡張・胃捻転症候群

胸の深い大型犬(アンデイくんなど)に多い胃拡張・胃捻転ですが、意外にも、ダックスフンドにも起こります。大量に食べた食後や多量の水を飲んで、すぐに激しい運動をすると起こるといわれています。初期は、犬がおどおどするような情緒不安、ヨダレがやたらとでる(唾液分泌亢進)、嘔吐の恰好だけする、という症状がでます。胃にガスがたまって、胃がパンパンにはっていくため、腹部鼓張がおきます。そのため、苦しくなり、舌の色は真っ白になり、ハアハアとして呼吸速拍、呼吸困難、脈が速くなる頻脈、といった、症状がでます。緊急事態ですので(速やかな手術が必要)、様子をみずに、適切な処置をうけないと死んでしまいます。簡単に病態をまとめますと、胃と脾臓が捻転し、血液がきちんと流れなくなり、心臓に血液がもどらなくなります。そして、心臓がうまく動かなくなり、急性腎不全、DIC、胃と腸の穿孔、敗血症腹膜炎と、一連のショック状態が誘発され、発症後数時間で死亡するといわれています。
大型犬とダックスさんは、食後のすぐのお散歩は避けたほうがよいでしょう。ただ、空腹のままお散歩にいくと、若い犬は胃酸が多いので、吐いたり、拾い食いをしやすいので、そういう場合は、ほんの少し与えてからお散歩に行くのもよいのではないかと思います。