ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

肝疾患のときの食事

肝臓が悪いとタンパクを制限しないといけないといわれていますが、必ずしもそういうわけではありません。高アンモニア血症の場合、、肝性脳症(昏睡、けいれんなど起こす)を誘発するので、タンパク質を制限しないといけませんが、肝臓の酵素があがっているだけの場合ですと、タンパク質は肝細胞が再生するための必要な栄養素ですので、良質なタンパク質(BCAA比率が高いもの)を食べさせてあげることが大事です。タンパク質だけではなく、食物繊維(便秘すると、腸内毒素が体内にはいりやすくなるため)(やっぱり、デトックス大事ですね)、ビタミン類(特にB1,B12、ビタミンK、ビタミンE)、低ナトリウム食、亜鉛(肝臓に悪い銅の吸収阻害作用あり)、マグネシウムのミネラルが大事です。人間もそうですが、動物も食が健康の秘訣かもしれません。
おやつばかりの偏った食事は、健康によくないのは周知の事実ですが、動物ですと、体にいいから食べるというような発想がないので、食の細いワンちゃんや猫ちゃんの飼い主さんの苦労はたいへんですね。
普段から、美食生活をさせると、食欲がおちたとき、ここぞの一発御馳走がなくなってしまいますので、人間も動物も粗食が長生きによいのでしょう(なかなか、実行は難しい)

BCAAとは(文献抜粋)
バリン、ロイシン、イソロイシンのこと。肝臓でほとんど、代謝されることなく筋肉で代謝されるため、肝臓に負担のかからないアミノ酸である。特に肝疾患時にはアンモニア代謝するためには必要なアミノ酸である。